<2011年・城主のたわごと3月>



2010年8月、山陰(島根県・島根県)妖怪ツアー・第3弾、最終回。

「水木ロード」の後は、米子、大塚にも出て、伯備線の帰路。





     
  1月から3回目となった「山陰(鳥取・島根)・妖怪ツアー」(^^)。
最終回の今回は、「水木しげるロード」の後、米子に出て、中海に沿って島根県に入り、武良布枝さん(水木夫人)の故郷、内陸の大塚町に行ってみた。

その後は安来駅から伯耆大山を経由して岡山までの、山陰本線と伯備線の車窓の風景をお届けして、最後は妖怪土産で締め括ろう(^O^)/



<水木しげるロード10・北側「妖怪神社」界隈、2>

地図A←「水木しげるロード」スタート地点。地図B←エンド地点。徒歩コースなので、この地図サイズだと大差ない距離だが、拡大してもらうと少し距離があるのがわかる(^^ゞ。

現地の案内図(妖怪像の名が赤丸入りで書かれている)

↑「水木しげるロード」マップ。
←←←←←←←←←←←┐
駅=水木しげるロード==↑
→→→→→→→→→→→┘
↑こんな順路で来た。

既に南コース(→)は終え、北側(←)を戻って来ている。

←現在地を拡大。中間の赤い四角は「妖怪神社」(^^)。これの次「ろくろくび」まで前回見た。

この先、まずは「カランコロン通り」との最後の交差点に向かうまで、あと三体ほど妖怪像を見る。

「妖怪神社」「ろくろくび」の後、「水木ロード郵便局」がある。妖怪切手とか沢山あるんだろうな〜(笑)。

↓左「水木ロード郵便局」
今回最初は「小豆はかり」から

小豆はかり」と「百目」は、横長・山脈型の台座に乗っていた。
「小豆はかり」も、連ドラ「ゲゲゲの女房」に出たよね(^^ゞ。

小豆はかり」は、東京は麻布の二百俵取りの武士の家に出た。友人が見たいと泊まりに来て、住人の忠告通り静かに待つと、天井をドシドシ踏み、パラパラ小豆をまく音、庭の飛石を歩く下駄や、手水鉢の水をかける音までする。が、障子をあけると、何もいない。
越後(新潟県)の弥彦でも、屋内が鳴動し、天井から多くの手が降り、雑炊をかきまわす百姓から、杓子や鍋を奪って天井に引き上げたので、家の者は逃げ出した。
村の若ものたちが退治に来ると、砂や石が飛んで来て、皆を埋めてしまう。
その天井にあった空鍋を引き下ろして茶を沸かすと、また屋内鳴動し、家人が逃げ出し……を3日も続いて、ついに住人は引っ越してしまった。

←次は「百目」。
盗人の体には目が生えるという迷信があり、障子にも目がつく怪異(目々連)が言われ、孔雀の羽根も同様だ。
百目」も元は、肉のかたまり「ぬっぺふほふ」だったのか、体じゅうに目が百個ついて、昼は眩しくて歩けないから、夜の古寺や廃寺に現われる。人に会うと目玉が一個飛び出し、どこまでもついていく。



<水木しげるロード11・北側「カランコロン通り」を行く>


←有名な「砂かけ婆」は、山頂型の台座の上に立っていた。
境線大篠津町」駅の妖怪駅名「砂かけばばあ」駅(^^)。

境線妖怪駅も、だいぶ埋まって来たね!o(^^)o
米子
博労町
富士見町
後藤
三本松口
河崎口
弓ヶ浜
和田浜
大篠津町
米子空港
中浜
高松町
余子
上道
馬場崎町
境港

砂かけ婆」は、奈良・京都・兵庫(西宮市)など、近畿に集中して現われ、神社やその近くの樹木・藪の影から、通行人に砂を浴びせかける。が、その姿を見た者はいない。
水木しげる氏に寄せられた目撃情報では、目撃者が砂が出た藪に竹棒を持って入り、怒鳴り立てたが、何の気配もなく、足元には直径1メートルの石があるだけだったという。
関東は利根川の近くに、上から砂が降って来る現象も伝わり、これは狸(砂かけ狸)か飛び立つ鳥の仕業と言われ、「砂かけ婆」とは違うようだ。


↑ちなみに、像は「ゲゲゲの鬼太郎」に出て来る「砂かけ婆」で、漫画の設定では、爪の内側にある管と、筒状になっている髪の毛一本一本から、砂をマシンガンのように飛ばして、敵の目をつぶす。
←「砂かけ婆」を最後に、右折して「カランコロン通り」を歩くコースになっている。

左に三体、右に一体の妖怪像が見れる。

まず「竹切狸
次に「猫又
そして「手の目」だぁ〜!

↑三つとも、羊羹型の台座の上にあり、「猫又」だけ、それを島型に発展させていた。

竹切狸」は「妖怪大全」を見ると、「河童の三平」に出て来る「三平」と「タヌキ」の絵で描かれているが(笑)、人を化かす狸も、学があり、筆跡らしき物すら残っているという。
これは特定の音をたてる狸といえ、藪から砂をまく「砂まき狸」などは全国各地に伝わり、広島、香川では「小豆洗い」も狸のしわざになっている。
兵庫県では、夜中の山中で、チョンチョンと竹をはらい、ザザッと竹の倒れる音がするので、朝、竹藪に行ったら竹を切った形跡はなかったという。
静岡県でも深夜の山奥、チョンチョンと神楽囃子が聞こえ、阿多古(あたご)地区では「山囃子」と呼んで、狸のしわざとされ、熊村(今の天童市)地区では、狸が腹鼓を打つのを見た人もいた。
鳥取県八頭郡でも、木を切る音がするのは狸のしわざで、男性が煙草を吸うとやめるという。


猫又猫股の火)」は、越後(新潟県)の武士の家に出た。
毎夜、手鞠ほどの大きさの火が畳の三寸(約9センチ)ほど上を飛び、隣家の榎に登ったりして、これを見物に来る者すらいた。
また、糸車が勝手にまわったり、枕を返したりの怪事も続いて、寝ている人を脅すので、庭に出て木を見ると、身長五尺(約1.5メートル)もあり、尾が二股にわかれた大きな老猫が、赤手拭をかぶり、尾と後ろ脚で立って四方を見渡す。
弓矢で急所を射ると、猫は二転三転の後、矢を噛み切って死に、これより怪事は起こらなくなった。


手の目」は東京都調布や京都市七条などに出た。
人影のないすすき原を通り掛かった盲人が、悪党がよってたかって斬りつけられ、わずかな金品まで奪われて絶命。
盲人を騙すと七代祟ると言うが、この盲人の霊も、手探り姿で彷徨い出る内、その手に目が生まれ、満月の光を頼りに復讐相手を探すのだった。


←「さがり」は、羊羹型・椅子状の台座にぶら下がっていた。

「馬魔(ぎば=頽馬)」という妖怪が、馬の耳に入って、馬の気を狂わせたり、馬の肛門を抜いたりするのに対し、「さがり」は、古い榎の枝が、夜、風もないのにザワザワ音を立て、馬の首をぶら下げ、「ヒーンヒーン」と啼く妖怪(怪異現象)だ。
各地に出るが、会津では、道中に病死した馬の霊が木に宿ったものとされている。

岡山県邑久(おく)郡では、「さがり」に出くわして、驚いて逃げる男の話がある。
逆に、山賊に追われた男が木に登ったため、その木で寝ていた「さがり」が飛び起きて、木から落ちる話しもあり、この「さがり」は、追って来た山賊の上に落ち、山賊の頭をかち割って、再び木に登って眠ったそうだ。

←妖怪像が分派している「カランコロン通り」も、最後の「さがり」の後は、「109・方相氏」で終わり、さっきの「砂かけ婆」の対岸「河童の泉」に届き、残りの「水木しげるロード」に戻る。
河童の泉」というのは、左の地図(←)では「妖怪広場」とある辺りで、小さな公園のようになっている。→
この「河童の泉(妖怪広場)」には、「110・鬼太郎」「111・カッパ」「112・タヌキ」「113・河童の三平」「114・悪魔くん」「115・小豆洗い」「118・ねずみ男」などの像が、ドッと一同に会している。
鬼太郎や悪魔くんはもとより、「小豆洗い」も前回紹介したので、ここでは、「116・さざえ鬼」と「117・岸涯小僧」のみ取り上げさせて貰う(^^ゞ。

↓「妖怪広場」奥の水辺「河童の泉







さざえ鬼」は猫などと同じく、三十年以上も長く生きて霊力を身に付けた「さざえ」の妖怪で、体や手足が生え、ふだんはおとなしく海中深く潜んでいるが、月夜の晩に海上に浮かび、うかれ踊る。
紀州(和歌山県・三重県)の波切には昔、海賊の本拠地があり、海におぼれた美女が助けられ、連れて来られ、海賊たちに次々と弄ばれた。
ところが、海賊たちは女に睾丸を取られてしまい、海賊の親分が、睾丸を返して欲しいと頼んで、莫大な黄金を支払った。
以後、好色な女が海に投げ込まれると、「さざえ」となり、長生きして「さざえ鬼」となると言われた。


岸涯(がんぎ)小僧」は四国の妖怪で、岸辺で魚をとり、バリバリと凄まじい音をたてて食べる。「雁木小僧」とも書き、「雁木」とは丸くてギザギザのついた歯車。岸辺を通る魚屋は、「岸涯小僧」を見ると、安く大きい魚を投げ与えて逃げた。




<水木しげるロード12・北側「境港駅」に向かって>

「カランコロン通り」との交差点が、駅から一番近いので、あとは「境港」駅に向かって進むだけ(^^ゞ。

はじめに「119・120・121・隠岐へ向かう鬼太郎親子と水木しげる先生」がある。

隠岐の島町には、「武良街道」がある。
水木しげる氏は、自身の先祖・武良氏は、500年前は、隠岐の武良郷がルーツではないかと考えているそうだ。

←そして妖怪像は「見上入道」から。島型・縦長・椅子状の台座にいた。

入道姿をして夜中に出る。こちらが先手を打たないと、巨大化して人を死なせる妖怪。
見上入道」は佐渡(新潟県)や四国の宇和島の上り坂に出る。大きくなるのを見ていて引っくり返る前に、「見上入道、見越した」と云わねばならない。言えば消える。
愛知県では、三尺(約90センチ)足らずの小坊主が、近づくと突然3メートルにもなる。
長崎県の壱岐郡に出る「見越入道」は、ワラワラと笹の音を聞かせるので、竹が倒れて来て死ぬ前に、「見越入道、見抜いた」と言えばいい。
同じように「入道坊主」にも、「見ていたぞ」と言えば良いが、向こうから先に声をかけられた人は死んでしまう。

提灯小僧
川赤子
浪小僧
提灯小僧」は島型、「川赤子」も島型で縦長の椅子状、「浪小僧」は山頂型の台座に、それぞれいた。

提灯小僧」は小雨のふる夜、人が意味もなく殺された場所に現われる。
昔、仙台の城下町に使用人をつれた侍が、小雨に急かされ、提灯の明かりを頼りに歩いていると、後ろから来た12〜13歳の小僧が、追い越しては足を停めて待ち、追い越されては追い越し返す。
その顔は、座敷童子か東北の河童のように真っ赤で、まもなく姿を消したという。

川赤子」は沼や池で、「オギャーオギャー」と泣く妖怪。
声を聞いた人は、赤ん坊と思って助けようとして水に落ちたり、泣き声の方向に行くと、逆の方向から泣き声がして翻弄される。池や沼の主か、河童のしわざと言われる。
山に現われるのは「山赤子」で、秋田地方では、足元で赤子の声がするので、踏んだ落葉の下にいたかと見ると、本当に赤ん坊がいて、「痛いぞ」とニヤニヤ笑って消えたという話もある。また、海岸で「メェーメェー」と泣く例もある。

浪小僧」は、静岡県曳馬野の海に棲んでいた。ある日、大雨で陸地に浮かれ流され、孤立したまま日照りを迎え、小川で足を洗う少年に声をかけて、海に連れ戻して貰った。
浪小僧は御礼に、日照りに困っていた里に、雨を降らせるよう父親に頼んでくれた。
こうして、里の人々も大助かりの大雨となった上、「浪小僧」が、「雨降りの時は東南で、雨上がりの時は西南で、浪を鳴らして知らせる」と教えてくれ、この地方では、天気を先に知る事ができるようになった。

ここに、「126・127・ゲゲゲの鬼太郎の塔」が入って、次の「網切」は、半円型(下向き)台座内に丸い島があって、その上に乗っていた。↓

さらに次の「山童(やまわろ)」は、島型の台座の上に乗っていた→
「山わろ」は二種類あるが、漢字が違う(^^ゞ。

↑「網切」は、蚊帳などの網を切る妖怪。
静まりかえった蚊帳の上など誰もいないハズで、蚊帳は雷神をよけるとも言われるものを、朝、刃物でも使ったように、長い切れ目がスッパリ入っている事がある。
漁師の魚綱や干してある洗濯物を切るのも、「網切」のしわざと考えられた。


山童(やまわろ)」は、水辺にいる河童が、秋になって山に入ったものといわれる。↑
約束を守れば山仕事を手伝ってくれるが、何事も早技なので、木を運んで貰い、おろす時は、「いち、にい、さん」の掛け声の、「にい」が合図と心得ないと、肩を既にはずしている。
“はったい”という、米や麦の炒り焦がしが好物なので、これをやる約束をすると、頼んだ仕事は昼寝の間にやってくれる。“はったい”は翌日までに地面にまいておくが、まいた“はったい”は「山童」の姿も見ぬうちに無くなるという。
ある悪戯者が、“はったい”を口で吹き飛ばすと、「山童」は山じゅう叫び声をあげ、後で仕返しに、悪戯者の足に斧を充てるかに見せて脅かし、急いで斧をどかしたという。


キジムナー」は島型の台座にいた↓
境線では「馬場崎町」駅の妖怪駅→

境線妖怪駅も、残り一駅だ(^^)
米子
博労町
富士見町
後藤
三本松口
河崎口
弓ヶ浜
和田浜
大篠津町
米子空港
中浜
高松町
余子
上道
馬場崎町
境港

キジムナー」は、沖縄県の国頭郡、大宜味村の妖怪で、呼び方は「キジムン」「セーマ」「セーマグ」「ブナガイ」「ブナガヤー」「ミチバタ」などがある。
ガジュマルの古木の精霊で、赤ん坊ほどの小柄で毛におおわれ、旧暦の8月10日(全ての妖怪が出る「妖怪日」)に火を出し、家の屋根から火が上がると、死を予兆すると伝わる。
海上を火を発して往来し、漁が上手で魚や蟹を食べるが、片目だけ食べると後は飽きてしまうので、おだてれば残りを貰える。
「キジムナー」の宿る木に芋を置くと友達になれるが、逆に木を焼いたり、釘を打つと縁が切れてしまう。蛸、屁、熱い鍋蓋も嫌いで、遠隔地でそういう話をすると報復を受ける。
牛馬を跳びはねさせたり、提灯の火を盗んで逃げるなど悪戯するので、提灯はあらかじめ跨いでおくと防げる。

←「濡女」は、縦長型・椅子状の台座の側面にへばりついていた(^_^;)。

濡女」は、新潟県と福島県の境の川(幅50メートルぐらい)に現われる女の妖怪。

その川の堤は両岸とも柳の古木に覆われ、その枝で柳行李(やなぎごうり)が作られたが、川の流れが急で、渦を巻き、毒虫の巣もあるので、柳の枝を切る時は、鎌は長い竿の先につけられ、作業は物乞いの仕事となっていた。

文政2年(1819)、村の若者たちが相談して、柳を村の財産にしようと、
物乞いたちが枝切りに来る前日に舟を出し、枝切りを試みた。
が、経験もないのではかどらず、鎌は柳の枝に取られ、舟も流されて、人気のない寂しい所に出て、髪を洗う女に会った。
これを「濡女」だと気付いた者が、他の仲間に注意を促したが、構わず三叉の水流に漕ぎ出した者らは、「ギャーッ」と恐ろしい叫び声をあげた。逃げ延びた者たちは、古老から、「濡女」の尻尾は300メートル先まで届くので、これに見つかったら、逃げても必ず巻き戻されると聞いた。




<水木しげるロード13・北側「境港」駅前ロータリー>

というわけで、駅前まで戻って来た(^_^A)。駅前のロータリーにも、まだいっぱい妖怪像が集中しているので、これより見てみよう!


↑駅前ロータリーの眺め。奥の山並は、境水道の向こうの島根半島(北側)。手前左が「交流館」、右が「鬼太郎交番」。

←駅前の地図
↑ロータリーに入って、最初に出会うのが「ばく」。山頂型の台座に乗っていた。

ばく」は寝て見る夢を餌にする中国の霊獣だが、動物の「獏」とは別で、体形は熊、鼻は象、目は犀、尾は牛、脚の太さは虎にそれぞれ似て、毛に斑点があるといわれる。
悪い夢を見た時や、中国だと疫病に対しても、夢や病の霊を食べさせれば取り除けると信じられ、「ばく」の皮の上に寝ると、疫病の予防になるといい、豊臣秀吉の枕元にも「ばく」の絵が描かれていた。
また悪夢を見た時の呪文があって、日本では福島や熊本で、「夢を“ばく”に食わせる」と三唱したり、息を三度吐き掛けたりする。


次の「畳叩き」と「高女」は、両方とも、縦長型・椅子状の台座にあり、どちらも駅に一番近い位置にあった。

←「畳叩き
高女」→

←まず「畳叩き」は「ばたばた」とも呼ばれ、夜に畳をたたくような音をたてる。
和歌山県では冬の夜に出る。広島でも北風の吹き始める頃、夜中の屋根の上や庭に出るという。
「畳叩き」の出現する付近には、「ばたばた石」という石があり、小人が出て来て音をたてるので、人が確かめようと近づくと石の中に入ってしまう。
この石を持ち帰った人の顔に痣ができ、日毎に大きくなるので元の場所に戻したら、痣が消えた……という事から、石の精の仕業と考えられているが、高知県では「狸のしわざ」とされている

高女」は、遊女屋の二階を覗き歩く、体の伸びる女の妖怪で、鬼の一種とも、嫉妬深い醜女が化けた姿ともいう。
和歌山の木地(木細工の材料)屋が、大坂の問屋の世話でもらった女房との間にできた子が行方不明になり、三十人ほどいた使用人も次々に死んで、半分以下になってしまった。
自分が警戒されてると知った女房……すなわち「高女」は、物凄い形相で木地屋を問い詰めたので、木地屋が寝たふりをして様子をうかがった所、「高女」は、七尺(約2.1メートル)もの鬼女となって、裸で井戸に飛びこみ、雷鳴のような轟音を発して、美女に変身し、井戸から飛び出たが、腰から下は井戸の奥に浸ったままだった。
木地屋は山に逃げたという。


以後は、ロータリーの中央(駅の真ん前)を占めてるコーナー。

島型の台座に「がしゃどくろ
同じく島型に「ぬっぺぽう
そして羊羹型の台座の上に「傘化け」→
最初は順路を知らないので、駅を出てスグ目に入る妖怪郡でもある。

がしゃどくろ」は、野原で野たれ死にした人々の恨みが集まった巨大な妖怪。夜ガチガチ音をさせて歩き、人を見つけて襲いかかる。
宝亀9年(778)、備後(広島県)の葦田郡大山の郷の男が、正月の品物を買いに行く道中に野宿すると、「目が痛い」という、うめき声を聞いた。
夜明け、付近に見つけた「どくろ」には、目の穴から筍が生えていたので、筍を抜いて乾飯(ほしいい)を供えた所、「どころ」が、この野原で伯父に殺されたと述べ、供養の御礼に両親の居場所に招き、ご馳走をふるまい、財を授けた。
そこへ“どくろ”の両親が現われ、息子を殺害した犯人を知り、伯父を捕らえることができた。


ぬっぺぼう」は、肉の塊の妖怪で、死者の肉とも言われる。東京都世田谷に出たという。
「ずんべら坊」ともいい、楠や桐など古木が化けて、書斎などに出る妖怪に似て、顔が大きいが、その顔には何もついてなく、同種の妖怪で、顔らしきものがやっとついている程度のものを「ぬっぺふほふ」という。
廃寺などに夜あらわれ、屍のような匂いがして、物音をたてたり、廊下をぼとぼと歩く。声をかけても返事はなく、見る人のおどろく顔を見て満足するだけのようだ。


傘化け」は、代表的な付喪(つくも)神。
「百鬼夜行」に「骨からかさ」と書かれるものが、「破れ傘」の絵柄で、古い傘は化けると考えられたのだろう。
また「傘化け」が集団で川を泳いだ話しもあり、東北には、雨降りの日に夫に会いに来る幽霊が、傘を忘れて帰った話もあり、大正時代まで、その傘は寺にあったという。
鳥取県の溝口にある「幽霊傘」は、大風で人を空に舞い上げるが、一本足の一つ目で、昔からこの「傘化け」は舌を出して笑う、愛嬌のある妖怪。


↓最後の妖怪駅名「傘化け」駅。境線の「河崎口」駅だ。
そして最後の妖怪像「百々爺」→

やっと埋まったねー\(^O^)/
米子
博労町
富士見町
後藤
三本松口
河崎口
弓ヶ浜
和田浜
大篠津町
米子空港
中浜
高松町
余子
上道
馬場崎町
境港

百々爺」は関東の山奥に棲み、夜おそく、人通りのなくなった町や村の辻に出て来る。
現われると、人が逃げても次の辻にしゃがみこんで待ち受けており、これに旅人が会うと必ず病みつくと言われて、だだをこねたり、夜更かしする子供に、「百々爺が来るよ」と脅して、言う事を聞かせた。
深山の「野衾」が化けるとか、猪や鹿・狸の肉を「百々爺」とも呼ぶので、狐など、山にすむ獣の化物とも思われる。
「自分は通とか粋ではない」と謙遜していう時、「自分は百々爺だからわからない」などと言う事もあるそうだ。


1月にも出した、妖怪の一覧(比較)表もこれにて完成(^O^)。↓

妖怪・キャラクター名
水木しげるロード番号
日本妖怪大全
青女房
021
赤頭
-
赤舌
-
あかなめ
018
灯無蕎麦
-
悪四郎妖怪
-
悪魔くん
066
-
悪路神の火
-
足洗邸
-
足長手長
044
足まがり
-
小豆洗い
054・115
小豆婆
-
小豆はかり
102
悪鬼
-
油赤子
-
油返し
-
油すまし
061
天邪鬼
-
アマビエ
隠岐の水木しべるロード
あまめはぎ
-
網切
128
雨女
-
雨ふり小僧
049
あやかし
-
いしなげんじょ
-
イジャロコロガシ
-
異獣
096
磯女
-
いそがし
095
-
板鬼
-
一目入道
-
一目連
-
以津真天
-
一反木綿
057
一本足
-
一本ダタラ
-
井戸の神
-
遺念火
-
井守
-
いやみ
-
岩魚坊主
088
石見の牛鬼
058
牛打ち坊
-
うしろ神
-
姥火
-
馬の足
-
海和尚
-
海小僧
-
海座頭
-
海女房
037
海人魚
-
海坊主
047
うわん
060
雲外鏡
-
煙羅煙羅
-
エンコウ
-
閻魔大王
090
-
おいがかり
-
置行堀
-
大かむろ
024
大蜘蛛
-
大蛸の足
-
大旅淵の邪神
-
大入道
-
大坊主
-
大元神
074
-
お菊虫
-
隠岐へ向かう鬼太郎親子と水木しげる先生
119・120・121
-
送り犬
-
送り提灯
-
送り拍子木
-
オゴメ
-
長壁
-
白粉婆
-
オッケルイペ
-
オッパショ石
-
おとろし
-
鬼熊
-
鬼火
-
お歯黒べったり
055
オバリヨン
-
オボ
-
朧車
-
海難法師
-
貝吹坊
-
海妖
-
餓鬼
-
隠れ里
-
隠れ婆
-
影女
-
元興寺(がごぜ)
-
傘化け
137
鍛冶媼
028
火車
-
がしゃどくろ
135
カシャボ
062
家獣
065
-
片脚上臈
-
がたがた橋
-
片耳豚(カタキラウワ)
-
片車輪
-
帷子辻
-
桂男
-
河童
031
カッパ
111
-
河童の三平
113
-
河童の三平・タヌキ・カッパ
005・006・007
-
かに坊主
084
金霊
073
金の神の火
-
かぶきり小僧
-
かぶそ
-
蝦蟇
-
鎌鼬(かまいたち)
-
かまど神
-
かみきり
056
紙舞
-
甕長
-
烏天狗
-
ガラッパ
017
画霊
-
川赤子
124
川獺
-
川獺の化け物
045
川男
-
川熊
-
川猿
040
川天狗
-
川姫
-
カワボタル
-
岸涯がんぎ小僧
117
がんの精
-
加牟波理(がんばり)入道
-
キジムナー
130
鬼女
-
鬼太郎
050・110
-
鬼太郎(赤ん坊)とお父さん
079・080
-
鬼太郎と目玉おやじ
038・039
-
鬼太郎のゲタ
051
-
鬼太郎ポスト
008・009
-
狐憑き
-
狐の嫁入り
-
狐火
-
木の子
-
馬魔(ぎば)
-
旧鼠
-
清姫
-
麒麟
-
麒麟獅子と猩猩
011・012
-
金魚の幽霊
-
口裂け女
020
くだん
-
クネユスリ
-
首かじり
-
縊れ鬼
-
海月(くらげ)の火の玉
-
倉ぼっこ
043
黒髪切
-
黒玉
-
黒手
-
黒仏
-
黒坊主
-
毛羽毛現けうけげん
046
ゲゲゲの鬼太郎の塔
126・127
-
ゲドガキのバケモン
-
倩兮(けらけら)女
-
水慍(けんもん・「慍」の正しくは糸ヘン)
-
小池婆
-
小右衛門火
-
古庫裏(こくり)婆
-
コケカキイキイ
139
-
小雨坊
-
古戦場火
-
こそこそ岩
-
小袖の手
-
木霊
-
五徳猫
-
児啼こなき
098
木葉天狗
048
小坊主
-
コロポックル
083
孤者異(こわい)
-
古籠(ころう)火
-
囀り石
-
逆柱
-
さがり
108
さざえ鬼
116
座敷坊主
-
座敷童子
070
さとり
-
寒戸の婆
093
-
皿数え
-
サラリーマン山田
081
-
猿神
-
ザン
-
三吉鬼
-
山神
-
山精
-
山中の幽霊屋敷
-
山霊
-
塩の長司
-
敷次郎
-
シズカモチ
-
次第高
-
死神
010
-
篠崎狐
-
芝右衛門狸
-
しばがき
-
シバテン
-
死人憑
-
蛇骨婆
-
邪魅
-
じゃんじゃん火
-
出世螺(しゅっせぼら)
-
樹木子
-
小鬼
-
正吉河童
-
精螻蛄
-
精霊風
-
絡新婦
-
不知火
-
しらみゆうれん
-
白溶裔しろうねり
042
白坊主
-
人面樹
-
人面瘡
-
朱の盆
036
水虎
-
水精の翁
-
妖怪・キャラクター名
水木しげるロード番号
日本妖怪大全
硯の精
-
すっぽんの幽霊
053
砂かけ婆
104
スネカ
-
すねこすり
026
ずんべら坊
-
石妖
-
せこ
隠岐の水木しげるロード
センポク・カンポク
-
袖引き小僧
032
空神
-
算盤小僧
089
-
大光寺の怪異
-
高女
134
高入道
-
高坊主
-
ダキ
-
たくろう火
-
竹切狸
105
畳叩き
133
たたりもっけ
-
タテクリカエシ
-
タヌキ
112
-
狸囃子
-
田の神
019
だるま
072
-
たんころりん
086
力持ち幽霊
-
茶袋
-
提灯お岩
-
提灯小僧
123
長面妖女
-
衝立狸
-
付喪神
-
辻神
-
土蜘蛛
-
土転び
069
常元虫
-
つらら女
-
釣瓶落とし
027
釣瓶火
-
手洗鬼
-
手形傘
-
鉄鼠
100
てっち
-
手長婆
-
手の目
107
貂(てん)
-
天子
-
天火
-
天狗
-
天狗礫
-
天狗火
-
天井なめ
064
天づるし
-
道通さま
-
豆腐小僧
023
通り物
-
髑髏の怪
-
鳥取の牛鬼
-
百々目鬼
-
泥田坊
099
泣き婆
-
なまず神
-
生剥
-
浪小僧
125
嘗女
-
納戸婆
-
二恨坊の火
-
入道坊主
-
如意自在
-
人魚
-
人形の霊
-
鵺(ぬえ・夜偏でも合ってるが、空偏)
-
ぬっぺふほふぬっぺっぽう
136
沼御前
-
ぬらりひょん
016
塗壁
034
塗仏
-
塗坊
-
ぬるぬる坊主
-
濡女
131
猫の神通力
-
猫又猫股の火
106
ねこ娘
033
-
ねずみ男
118
-
ねずみ男(等身大)
059
-
ねずみ男(寝そべり)
097
-
寝肥(ねぶとり)
-
ノウマ
-
野宿火
-
ノツゴ
-
野槌
-
野寺坊
-
野火
-
のびあがり
-
野衾
-
のんのんばあとオレ
075・076
-
ばく
132
白蔵主
-
化け銀杏の精
-
化け鯨
-
化け草履
022
化け狸
-
化け灯籠
-
化け猫
-
化け火
-
化け古下駄
-
狸伝(ばけもの)膏
-
波山(ばさん)
-
橋姫
-
芭蕉の精
-
場所に住む霊
-
畑怨霊
-
ばたばた
-
機尋(はたひろ)
-
魃鬼(ばっき)
-
髪魚
-
八百八狸
-
針女
068
般若
-
ヒザマ
-
ぴしゃがつく
-
ビジンサマ
-
ひだる神
-
魃(ひでりがみ)
-
一声叫び
-
一つ目小僧
087
一つ目入道
-
一人相撲
-
飛縁魔(ひのえんま)
-
火の車
-
狒々(ひひ)
-
火間虫入道
-
百目
103
百鬼夜行
-
ひょうすえ
-
病虫
-
ひょうとく
082
日和坊
-
貧乏神
-
風狸
-
吹き消し婆
-
文車妖妃
-
-
札返し
-
二口女
-
淵猿
-
ブナガヤ火
-
舟幽霊
-
ふらり火
-
古杣
-
古椿
-
震々(ぶるぶる)
-
古屋の妖怪
-
べとべとさん
092
ペロリ太郎
-
弁慶堀の河太郎
-
箒神
-
坊主狸
-
方相氏
109
-
疱瘡婆
-
頬撫で
-
細手
-
舞首
-
枕返し
094
魔女の花子
085
-
魔法陣と悪魔くんとメフィスト
066・067
-
豆狸
063
麻桶毛(まゆげ)
-
迷い家
-
丸毛
071
-
見上みあげ入道
122
みかり婆
-
水木しげる氏顕彰像
030
-
水木しげる先生執筆中
001・002・003・004
-
水木しげる夫妻
014・015
-
蛟(みずち)
-
溝出(みぞいだし)
-
無耳豚(ミンキラウワ)
-
飯笥(ミンゲー)
-
百足(むかで)
-
飯食い幽霊
-
目玉おやじ
052
-
魍魎
-
目々連
-
百々爺
138
ヤカンヅル
-
夜行さん
-
夜行遊女
-
疫病神
-
八咫烏
-
夜道怪
-
柳婆
-
家鳴り
035
山犬
-
山男
-
山女
-
やまこ
-
山爺
-
山高帽の水木先生
077・078
-
山地乳(やまちち)
-
山天狗
-
幽谷響やまびこ
041
山童やまわろ
129
山わろ
025
山婆(やまんば)
-
ヤマンボ
-
遣ろか水
-
やんぼし
-
幽霊狸
-
行き逢い神
-
雪女
-
雪爺
-
妖怪風の神
-
妖怪蜃気楼
-
妖怪万年竹
-
夜雀
-
夜泣石
-
呼子
-
雷獣
013
091
竜灯
-
老人火
-
飛頭蛮ろくろくび
101
わいら
-
若狭の人魚
-
渡柄杓
-
輪入道
029
笑地蔵
-




<米子(鳥取県)から安来(島根県)へ>

さらば、「水木しげるロード」と妖怪たち。「境港」ともこれでお別れじゃ(;_;)/~。
この後は、又々「米子」までバック(^^ゞ。

←境線の「ねこ娘列車」。これはポスターだけど(笑)、これで終点・「米子」駅に出る。

この先は地理がわからんと、ちょっと説明が苦しいので、現地にあった地図に地名を書き込んでみた。↓

島根県東部と鳥取県西部

↑周囲との関係もわかるよう、左(西)側にも範囲を広げてるので、「松江」や「宍道湖」「隠岐」まで入っているが、この先のメインは右上から右下にかけて(東部)。
今いる「境港」は右上あたりにある。これより右下「米子」に南下し、その左隣「安来」を経由して、その下(南)「大塚」に出る。

まずは夕方〜夜の米子から(^^ゞ。地図は狭い範囲なので、詳しくは拡大を。
地図C←米子駅から近い地元の「サンロード商店街」をそぞろ歩く。

レトロな建物の続きから、古びた商店街に入ると、商店街では珍しい蔵屋敷のような建物が出て来る(^^ゞ。

今どこの商店街でも、時勢を反映して、シャッター街となり果てているのを見はするが、ここは単に世相というより、「水木しげるロード」で見て来た妖怪たちが、それこそ「百鬼夜行」をしそうな、独特な雰囲気を感じた(笑)。

続いて、地図D←「米子市立・山陰歴史館」のある通りを過ぎて、地図E←米子駅に戻る道路を辿る。

夜の米子に浮かび上がる……
山陰歴史館

↑「歴史館」は、時間があれば見学したかったけど、所用の行き帰りに通ったのみ(^^ゞ。同じく、時間があれば寄りたい「米子城」も夜の姿↓

町はずれで夜空に浮かぶ「米子城跡

地図F←「米子城跡」。
これを右手(南)にしながら東南に前進すると、「米子」駅に突き当たる→地図G

が、車道は駅の向こうに出られないので、まずは駅の方向に向かい……

47号線を右折(→)して……
9号線に入り、米子城跡の間を抜ける

「間」って言い方はちょっと変だが(笑)、地図H←拡大して貰えると「米子城跡」も出て来るが、9号線(山陰道)は、この「米子城跡」を含む二つの丘陵の合間を抜けていく道路だ。

ちなみに、この「米子城」は、江戸期は(1632年以降)、池田家の家老・荒尾氏の預かりであったようだ。
その前の戦国期は尼子氏が領したが、毛利氏との争いの渦中にあったと見られ、毛利方の吉川氏の手中に収まった経緯を辿ったのだろう(大まか、山陽が小早川、山陰が吉川の仕分けだった)、1591年に尼子方の吉川広家が築城を開始している。

今回は行かなかったが、これより向かう島根県には、尼子氏の本城、月山富田城があった。
が、月山富田城は内陸に奥まった広大な山地で、交通に不便だったため、毛利勢力は米子城に拠点を置いたのだろうと見られている。

右(→)の壁が米子城址
抜けて中海に注ぐ川を渡る

9号線(山陰道)は中海の東南に沿って、しばらく廻る。

橋から見える中海
直行。安来方向に向かう


安来駅に行くには、そのまま中海の南辺を西に進むが、これより目指す安来市大塚町に行くには、駅に到達するちょっと手前で分岐し、南下する事になる。
地図I←だいたい南下開始の地点。



<「ゲゲゲの女房」の故郷、安来市大塚>


安来のちょっと手前から、大塚町に向かって南下を開始している。↑は「伯太川」。
連ドラ「ゲゲゲの女房」で、少女時代の布美枝(ヒロイン)や、祖母を亡くしたヒロインの父が「精霊流し」をやってたのは、この川(のもうちょっと大塚寄り)じゃないかと(^^ゞ。

地図J←この伯太川を一度、右(→)に超えて大塚町に近付く。

伯太川を渡ってるトコ
川の西側に沿って、さらに進む

今度は左に伯太川
やがて「ゲゲゲの女房」の幟がお出迎え(^^)

幟には、「ようこそ『ゲゲゲの女房』のふるさと・安来へ」という、鳥取県でもよく見た、水木夫妻の絵入りの物と、「大塚踊り」と書かれた、ここで初めて見る物があった。

さらに分岐点に差し掛かると……
(拡大)大きな看板(^^)

同じく立ち並ぶ道路標識から、右方向に行けば「広瀬町」に到ることがわかる。
今回は行けなかったが、「広瀬町」は、尼子氏の本城、「月山富田城」のある地域(^^)。
また、この辺りは「白鳥ロード」とも呼ばれ、白鳥が飛来する地域でもある。

一方これより行く「大塚町」への方向には、安来警察の「大塚駐在所」がある。地図など見る場合の目印になるかな(^^ゞ。

大塚町の奥に昔ながらの商店街
そのうちの一軒の酒屋さんが……

←水木しげる夫人(武良布枝さん)のご実家(^^)。

商店とは言え、個人のお店だし……(^_^;)、と、はじめ憚る気持ちもあったが、わかりにくい場所という事もあってか、幟や看板はカドごとに置かれて、大々的に案内され、第一・第二・臨時駐車場まであった(笑)。

お店の内部も、商売より案内(観光・展示)に力点を置いておられるように察せられた。
地図K

この界隈には何点か番号入りで案内板が各所にあり、そのうちの「@」が、「『ゲゲゲの女房』原案者・布枝さんの生家(飯塚家)」と銘打って立てられていた。すなわち……、

「小説『ゲゲゲの女房』は漫画家・水木しげる夫妻の半生を振り返った自伝。昭和初期〜30年代の町の風景が小宇宙として描かれている」

安来駅でパンフレットを貰ったが、無くしてしまい(^_^;)、安来観光協会の「大塚まちあるき」に丸々同じパンフが載ってるので、A以降(10箇所ほどあるね)については、ご参照あれ(^^)。

ただ上記サイトは字が小さいので、現地に行かれる方は、大塚からかなり距離があるものの、やはり安来駅でパンフレットを手に入れてから来られる事をお勧めする。

NHK連ドラ「ゲゲゲの女房」そのまんまの店内(^^ゞ(パノラマ縦4枚180度)

ドラマではこの店内を、驚くべき細部にわたってリアルに再現されたそうだ(笑)。ホントそっくりだもんね(^^ゞ。

ドラマでは、ヒロインの兄嫁(ドラマでは「くに子さん」だった)が「実家をシッカリ守ってくれる主婦」として活躍したが、今では、その息子さんのお嫁さんが「いらっしゃいませ〜♪」と接待して下さった(^^)。
亭主とは地元ならではの話に花が咲き、私とは「もうすぐドラマ終わっちゃうんですよねー」「永遠に続いて欲しいですね〜(TOT)」という話で盛り上がった(笑)。

ホント鄙びて奥まった田舎町だが、この界隈、その後は銀座か渋谷かと思うほど、ワイワイ・ゾロゾロと大勢の観光客がひしめいてるらしく(^_^;)、私らが行った後……つまりドラマ終了後の方が尚一層の賑わいと聞く。。。

大塚から安来に戻る道



<安来駅とその周辺>

さっき言った通り、大塚から西に出て南下すれば、「月山富田城」(尼子氏の本城・地図L)に到達する。
到達には及ばなかったが、帰り道は西にちょっと迂回してから、安来方面に戻って(北上して)みたので、風景のみ(^^ゞ。

この先に「月山富田城」がある(笑)
戻り道に見た「大山」(鳥取県)

飯梨川・吉田川・伯太川の内の二つを渡った(と思う(^_^;))

安来駅を出て、歩いてスグの距離に「語臣猪麻呂」像が立っている。
猪麻呂は落命した娘の仇を取るため、娘を襲ったワニザメを村人とともに討った。
神に捧げるワニザメを鉾に刺した形が、月の輪に似ていたので、毎年8月、山車で練り歩く祭りを、「月の輪神事」と呼ぶそうだ。

「出雲風土記」だね(^^ゞ。元は多分「和爾」だろうが、あの「ワニ」なわけなく、「鮫」だろうから、「ワニザメ」としてるんだろうね。

JR「安来」駅に到着〜♪
前は灯台と帆掛船?

↑道路に描かれるのは、もしかして「どじょう」?(笑)

←駅前。目前に聳えるのは「安来節」で有名な「十神(とかみ)山」。

地図M←安来駅は出て正面に、この「中海」と「十神山」があり、前進すると「中海」に落ちちゃうので(笑)、Uターンして、線路を超えないと、月山富田城なり、大塚なりには出れない(^_^;)。

駅に入ると、出迎えにズラッと並ぶ「どじょう掬い」連(笑)

↑有名な「安来節」だね(笑)。中央三人がどじょう掬いで、その周りをドジョウ達(^^ゞ。

この安来駅、木造りの綺麗な駅にすっかり新装されてて、「ドラマの影響(゚.゚)?」と驚いたが、タクシーの運ちゃんに聞いた所、「ゲゲゲの女房」のドラマ化よりちょっと前に新装したらしい。

ホームにもドジョウ掬い(笑)
ホーム反対(駅舎)側には「ゲゲゲの女房」(^^)

↑駅舎じゃない側は日立金属の工場地。安来は古代から製鉄の地だけんね(^^ゞ。

新装された赤い駅舎をホームから(パノラマ3枚・ほぼ180度)

さっきは車道で来たから、今度は鉄道で「米子」までの車窓から(^^ゞ↓

山肌の群墓
丸っこい丘陵が続く

東国(甲信越・関東・東北)と違って、この辺りの「山」と言い、自然物が全体的に小じんまりしてる(^^ゞ。
小泉八雲のいう「人形の国」は日本全般を指すのかもしれないし、「ゲゲゲの女房」の作者、武良布枝さんのいわれる「箱庭」も、大塚の町についてだけど、私や亭主は、「山陰」の「自然」について、「人形」や「箱庭」がピッタリ来るように感じる。



<帰路、伯備線(米子〜岡山)>


↑正確には山陰本線と伯備線(^^ゞ。
「伯備線」は字のごとく、「伯耆(山陰=日本海側)」と「備前・備中(山陽=瀬戸内海側)」を結ぶ鉄道。
「安来」「米子」は「山陰本線」、「伯耆大山」からが「伯備線」なんだけど、乗り入れてるので電車は一本で行ける。

ただし、「伯備線」は揺れの激しさで悪名高い(笑)。電車酔いする人のため、あまり揺れない電車も出てるそうだ。

「米子」に到着。「境線」のホームが見えてるね。
(拡大)鬼太郎の階段だ

米子駅を出てスグの風景
最初に超えるのは……「日野川」かな?

雲がかかってるけど大山(だいせん)の方向

大山はこの地域でもっとも高い山で、「伯耆富士」とも呼ばれる。右側の車窓から、進行方向のほぼ正面に見える。
次の「伯耆大山」を過ぎると、列車は岡山方面に向かってひたすら南下していく。

←おお(゚.゚)? 山の上に大きな影が見える
↑写真を拡大してみよう。……鬼だね(゚.゚)。

写真には「鬼伝説のまち・伯耆町」と写っているので、伯備線の通る箇所で「伯耆町」を探すと、「岸本」と「伯耆溝口」の2駅が目に入る。
この「伯耆溝口」の近くに「鬼住山」というのが見える。地図N

この「鬼住山」の伝承として、孝霊天皇が笹団子や笹の葉を使ってと戦い、討ち勝って、鬼を従えた話が出て来た(^^ゞ。
日本最古の鬼伝説@「鳥取県伯耆町観光サイト」より)

伯備線とともに流れる日野川
日暮れ時も近い

ドラマ「ゲゲゲの女房」でも、山陰から列車で旅するシーンが描かれた。
新婚の水木夫婦が、上京のため旅する場面だった。

ルートは山陰本線だったのではないかと思うが、伯備線に乗ってると、このシーンをリアルに思いだした。何か、車窓の景色と言い雰囲気と言い、とても似た空気を感じた(^^ゞ。


「ゲゲゲの女房」は、小さな幸福にも、心温まるドラマが展開できていた。
それは、「不安感」や「孤独感」といった、一見ネガティブな心境を深く掘り下げ、繊細に描く事で、多くの共感を集め得たからだと思う。

特に、この旅のシーンは秀逸だった。
新婚夫婦が初めて長時間二人きりになって、何とか会話しようとぎこちなく話題を持ち出しあうものの、どうにも会話がチグハグで噛みあわない(^_^;)。

そのうちに、緊張感(人目)から解放されたこともあって、疲労と倦怠感が噴き出し、夫婦して車中に寝入ってしまう。

車窓には昼下がりの山、空、夜景(少ないながらネオン)が順を追って拡がる。
ノスタルジックな情景を、アコースティック・ギターが泣き入るような音色で助長し、画面いっぱいに寂しさが物憂く垂れこめていた。

旅の情緒のみでなく、その疲労感と言い、気疲れ感と言い、体に伝わる列車の振動と言い、車内に行き来する酸欠ぎみの空気といい、ドラマとピッタリ同じムードの車内だった。


やがてすっかり日は暮れ、「新見」あたりで暗くなって、「岡山」に到着。あとは新幹線(^^ゞ。



<妖怪みやげ!(笑)>


オマケ編は、ご当地の「妖怪みやげ」(^^)。
買ったのは米子駅の売店や「サティ」(デパート)、安来駅のお土産コーナー。境港で買った物もあったかも(^^ゞ。

双六クッキーに
どらやき
目玉おやじ商品!
目玉おやじ棒付き飴(中身↓)
双六クッキーは、1枚1枚に各妖怪がプリントされて楽しかった。
しかし何と言っても、やはり「目玉おやじ」商品が多い(笑)。
棒付き飴は、「目にいい」という意味か、ブルーベリー味(^^;)↑

←「妖怪キャンディー」は「しじみ」味で、1個だけ激辛が入ってる(汗)。。裏面に、激辛が当たった人への対処法が書かれてた(笑)。ちなみに「しじみ」は、宍道湖(島根県)の特産品(^^ゞ。

これもキャンディー「願いがかなう飴」。「なんか妖怪医院」の処方箋が書いてある→

鬼太郎カリー目玉おやじカリーに……
鬼太郎、砂丘ラッキョウ

「ラッキョウ」も、絵柄と文字が書かれてるから、恐らく「鳥取砂丘」の名産品なんだろうと思う(^^ゞ。
普通のラッキョウと、鬼太郎の絵入りのラッキョウでは、「売れ方が全然違う」とお店の人が言ってるのを聞いた(笑)。

どういう味かわからんけど、「梨カリー」というのもあって、梨は確かに島根の名産(^^)。

前にこの「たわごと」ではちょっと触れた通り、「20世紀」梨は、元は千葉県松戸市で開発されたけど、今では当の松戸市では別種類の梨を作っており、「20世紀」梨は、この島根や鳥取でよく作られてる(^^ゞ。(2007年8月<常盤平さくらまつり、2>
なので、↓この「梨キャラメル」はじめ、妖怪食品にも、「梨」がよく使われてる。

梨キャラメル
砂かけ婆ならぬ、ごまかけ団子(笑)
これがスゴイ、「ねずみ男の鼻くそ」(爆)→
光って見えにくいけど、要するに「甘納豆」(^_^;)。甘納豆ってあまり食べない地域とかある?納豆じゃないんだよね(^^ゞ。豆は色んな種類のを使うようだけど、乾燥してて甘いお菓子。
これが「鼻くそ」と書かれて、堂々と店先に置かれてるのがスゴイ(^_^;)。。

そして鬼太郎キャラで大人気の「一反もめん」が
「クレープ」菓子(シガール)に変身!

横一列バルタン星人状態の一反もめん(笑)
絵柄はこの1点のみだが、商品はすこぶる多かった。さすが縁結びの地「出雲」、夫婦円満の絵で結婚運アップしそう♪

武良布枝さんのご実家・安来には、尼子氏にちなんだ土産や、松江の小泉八雲を取り上げた商品も多かった(^^)。
「一反もめん」と言えば、「ゲゲゲの女房」では、奥さま・武良布枝さんの事だった。
そう言えば、水木夫妻キャラの商品(食品)が、一番多かったかな〜(^^ゞ。→

←は「月山富田城」にちなんだ瓦煎餅。
尼子氏にちなんだ土産には、こういうお菓子もあるが、「山中鹿之助」や「月山富田城」の名の入った日本酒が多かった。

←こちらは「安来節」にちなんだ、「どじょう掬い」を象った饅頭。ひょっとこ顔の饅頭の頭に布巾が巻かれて、今にも歌いだしそう(笑)。安来(島根県)の他、米子や米子空港(鳥取県)でも見掛けた。

全体では、こんなもんじゃないってぐらい品数豊富だったが(笑)、ま、この辺で終わろう(^^ゞ。

以上、関連事項は、
2005年10月<山陰(島根・鳥取)土産>
2007年8月<常盤平さくらまつり、2>
2011年1月<まずは米子まで>以降
2011年2月全文




次回は、近隣から夏の余韻を少しお届けの後、続けて9月に行った「北栃木〜南福島ツアー」に入りたい!

2011年03月20日
 
     






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