<未病主義の考え方>


     
 
その四「不定愁訴」


それでは、「心因性の〇〇」と病院で言われた症状は、何だったのでしょうか。

これを、一般的には「不定愁訴」と呼びます。

どうも、こういう医学的な専門用語を使うと、だんだん論点がズレて来る恐れがあるので、あまり使いたくないのですが、最近では「東洋医学は不定愁訴に効く」は、当たり前になってきている感じもあります。

これは、東洋医学的には、「病気になる前に体が発するサイン」とでも受け取っていただければ幸いです。

書き並べてしまうと、どれも他愛のない症状に思えると思いますが、ちょっとやってみましょう(^_^;)。

ただし、これを全て「不定愁訴」という名称で、どこの専門医療書でも扱っているわけではありませんので、その辺はあくまでも「病気になる前のサイン」として、言葉的な問題は差し引いて読んで下さい。



<頭部>
頭重感/頭痛(偏頭痛、後頭部痛、側頭痛)/のぼせ/髪の毛や肌のツヤがない/フケ/脱毛/白髪

<顔面部>
顔色が赤い(あるいは黄色い)/瞼の腫れ/目の下の隈/涙が多い(あるいは出にくい)/目の充血/目のかすみ/近視/鼻炎(鼻水、鼻づまり)/鼻血/耳鳴り/あくび/口および喉のかわき/味覚の偏り(例:甘い物がやたらと食べたいなど)/口の中が苦い/舌が膨らむ(歯で噛みやすい)/歯茎の浮き(軽い腫れ)/歯が弱い(感じがする)/歯痛

<食道系>
喉のつかえ、腫れ、痛み/胸のつかえ/げっぷ/胃弱/食欲旺盛や減退/食中毒などによらない腹痛や下痢/便秘

<全身・局所>
首や肩のこり/腰痛/ほてり/手足などのしびれ/膝関節痛/皮膚のかゆみ/だるさ(倦怠感)/冷え性/むくみ/体が重い/微熱(熱はないが熱っぽい)

<精神面>
気分不快感/物忘れ/イライラ/情緒不安定/憂鬱/怒りやすい



こんな所でしょうか(^_^;)。全部書き出すとキリがないんで、だいたいこんなもんで何となく察していただけると助かります。

最後にある、気分不快やイライラ、憂鬱、怒りっぽいなんて言うのも、「原因もなく」という前提が付いている事が多いのですが、どうも私の見る所、まずイライラしてしまってから「何々が原因だ!」と言ってる人が多いんで、結局は同じ事だと思います(^_^;)。

かなりお年を召した方なら、経験的に「こんな事でイライラするのは、自分としておかしい」という事に気が付くのですが、お若い方になると、「アッタマ来たぁ〜! あのせいだ!」になっちゃいますので、自分でも区別が付かないものです。

しかし、要であるのは、「いつまでも同じ感情を引きずっていたら、おかしい」という事です。また、よほど怒ったり悲しんだりの経験があった後は、必ず体調がどこか崩れるものです。

これらの不定愁訴を感じる人は、現代社会では「神経質な人」と呼ばれて、大変バカにされています。

これこそが西洋医学の洗脳と言って、まず、間違いありません。西洋医学は、患者にいろいろな事を訴えられても治せません。あんまりしつこい患者がいると困るのです。

しかしこれは、裏を返せば、悪意があって「神経質」と言ってるわけではない、という事でもあります。西洋医学は、まず医者の卵(=医大生)から洗脳していきます(^_^;)。だから、医者自身には悪意は無いのです。

確かに、「調子が悪い」、「何かおかしい」と思うから病院に行くのに、行って何時間も待たされたあげく、「何でもない」などと言われたら腹が立つのは、よくわかります。

しかし、そこでいくら怒っても、せいぜい神経症と判断されて(下手すると性格異常にされて(^_^;))、安定剤などを貰うのが関の山だと思います。

時々、東洋医学にかかる患者さんで、「病院に行ったら、何もしてくれなかった」と文句を言う人に出会います。ちょっと勘違いしているな、と私などは思います。要するに、行く場所を間違えているだけなのです。

自分の体の調子に敏感である事は、今まで繰り返し言ってきたように、東洋医学的には優等生です。怒りたくなるのは相手にされず、プライドを傷付けられたからでしょう。わかってくれる所に最初からかかれば、何も問題は無かったのだと思います。

むしろ、患者にいろんな事を言われて、イライラしているお医者さんがおられたら、「先生、東洋医学に行って治してもらった方がいいですよ」と薦めてみて下さい(爆)。

ちなみに、私はホルモン剤の漬物みたいな体でしたので、良くも悪くも「神経質」ではないようです。だから社会でも病院でも、大変な「良い子ちゃん♪」でした。何しろ虚弱体質、という言葉しか病院では与えられませんし、自分でも「そっかー」と思ってりゃ、それで良かったわけです(^_^;)。

しかしその反面、私は普通に病院に行っても、ポンポコ病名がつくような、東洋医学的に言えば「重症患者」でした。

それが、東洋医学にかかるようになってから、自分で自分の精神状態をもてあますほど、バシバシといろいろなサインを感じるようになって、正直、困惑しました。

こういう人も、けっこう少なくないです。よく考えてみれば、ワガママな話です。病院で治せないほどの重病を患ってから東洋医学に来た、という典型的なパターンにして、一番始末に負えない患者でもあります(^_^;)。

そして、いわゆる「病院」に行って病名を貰っちゃうほどの重症患者は、未病主義の観点から言えば、「手遅れ」です(^_^;)。せいぜい病院で、いろんな薬を貰って飲み、それに浸かって一生を無駄に生きて行くか、世のため人のため、さっさと死ぬしか手段がない、と、一応ここでは書いておきましょう。

ただし、ここまで読まれて、長い間、病気に苦しんできた方には、「じゃ、私は東洋医学ではダメだ」とため息をつかれた方も多いかもしれませんので、ここから自分の体験談も踏まえて、「いや、そんな事もないよ(^_^;)」という話を綴って行きたいと思います。

まず、私が東洋医学にかかって上り詰めた以下の症状あたりまでですと、下手をすると病院に行っても見付けてもらえない場合も少なくないので、思い当たる人は、諦めずに東洋医学にかかってみる事をお勧めします。



<頭部>
頭痛(全体、前頭痛、後頭部痛)/のぼせ/めまい

<顔面部>
顔色が悪い/顔面充血/瞼の腫れ/目の充血/白目が黄色い/眼病/眼の奥が痛む、眩しい/遠視/色盲/白内障/濃い鼻水/耳鳴り/耳の腫れ/耳が熱っぽい/耳の膿み/耳後部の脹れ/聴覚の異常/歯の汚れ/歯槽膿漏/口の渇き/味覚鈍感/口が苦い/しわがれ声/喉の腫れ、痛み/あご痛/頬痛

<呼吸器系>
喘息/動悸/息切れ/始終、太い息をはく

<消化器系>
吐き気/胸やけ/食欲減退/腹痛/消化器疾患/臍下の脹れ

<排泄器系>

小便頻繁/膀胱疾患/尿が黄色すぎる/残尿感/便秘/痔、脱肛/下痢

<生殖器系>
婦人科疾患/不妊症/性欲減退/性器疾患

<全身・局所>
皮膚病(かゆみ、化膿症、湿疹、斑)/皮膚のツヤがない/首が回らない/手のひらが赤い/手足、腰の冷え/手足無力感/腕内側痛/肩、腕の外側痛/肩こり/五十肩/みぞおち痛/脇腹痛/肋間神経痛/背中の痛み/腰痛、及び、急性腰痛/筋肉痛、ふくらはぎの痛み、こむらがえり、ひきつり、痙攣/足親指痛/足熱/かかとの痛み/ほてり/多汗/局所麻痺/関節痛/神経痛/局所しびれ/寒気/発熱/知覚の鈍さ/局所、全身の倦怠感、だるさ、重い、疲労感、あるいは疲れやすい/糖尿病/リュウマチ/不眠/貧血

<精神面>
短気/癇癪/根気がない/無気力/思考力低下



前に上げた症状と重複しているものを多いですが、それらについては「強く感じる」のであれば、後で上げた方に入ります。ちょっと感じるぐらいなら上に書いた方に入るレベル、と見なしてみて下さい。

私は自覚的にも、まあ、自分は今この辺りをウロチョロしてるな……と思います(^_^;)。

上にあげた症状と比べると、今度は、身体の疾患部位が特定されてきたこと、現代医学で聞くような、いわゆる「病名」が入り込んできたことがおわかりかと思います。

つまり、いわゆる病院という所では、「何となく冷える、何となくだるい」では病気を探せません。部位がハッキリし、血液検査などで異常な数値が認められて……つまり悪化してきて、始めて診断が可能になるのです。言い方が悪くなりますが、「深刻に悪くなるのを待っている」わけです。

もしかして、上記をご覧になられて「え! 自分にも思い当たる事があるけど、私って病気だったの?」という方は、ハッキリ言って病気です(爆)。上手くいけば、病院で病名がもらえるかもしれません。やってみても良いでしょう。

さて、「どうしよ! ここに書いてない症状が自分にはあるんだけど……」と言う方、さらに深刻な症状をお持ちかもしれません。が、今回のところは、もう時間がありません(^_^;)。次回、「なぜか東洋医学」の更新をお待ち下さいませ。

すいませんが、次はいつになるか、全然見当がつきません。しかし、ここまでの所で誤解を招いている恐れもありますので、なるべく急ぐように心掛けますm(__)m。
 
     




もうちょっと
続けて読みたい


ホーム

<重症>

へ行く