<掲示板・議事録>

小泉八雲「日本の面影」、4

     
  <のりちゃんさま [近畿] 2003/08/27(Wed) 21:06>

「日本の面影」見ました〜〜〜!!
念願だったので、一度見だしたら、他は何もしなくていいように、用事を全部済ませて、お茶・キャンデイーを持ってきて、と、万端の用意で臨みました(#^.^#)

小泉八雲のエッセー(怪談になるのかな?)に、「ハル」というのがあります。
典型的日本良家の子女である、「ハル」は、夫の浮気に耐えて、でも、文句ひとつ言わず。
夫が一日放蕩で家を空けてかえってきた日、ハルは、夫の袖をつかみ「あなた?」とだけ言って、息絶えたのです。

この「ハル」をハーンは、「少しでも察しのいい男ならば、ハルの心の痛みに気づいたであろうほどの、優しさ」で、夫に接した・・・と書いています。

ハーンは、すばらしい感性を持ち、すばらしい作品を残した人物だと思いますが、その妻の「セツ」は、きっと、「ハル」のような素晴らしい女性だったんでしょう、と思いました。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/28(Thu) 21:18>

>のりちゃん様

えええーー(*o*)、もう見たの〜? わ〜い♪
どうでしたか? チャキリスのハーンは(#^.^#)。ちょっとカッコ良すぎかもしれないけど、なかなかハマッてたと思うのですが。。

私はキャアキャア言うほどには、八雲の本を読んでないんですよ〜(TOT)。。
ハルは……何処に入ってるのかな? 八雲が出版活動を開始したのは、九州に行ってからだと思います。九州時代かな?
セツは、想像してたよりずっと庶民的で、壇ふみが好演でしたね〜(#^.^#)。

「人形の墓」にしても「乙吉ダルマ」にしても、むやみに「耐える人」を誉め称えて強調するのではなく、「愛らしさ」を強調できる文章力に凄みを感じますね。
ジワッと来る話なんだけど、落語のような洒落たオチ方で、泣かせる落語って感じがします。明治の人は洒落てるね(^^)。

そうだ。出雲大社の巫女舞はどうでしたか? あとイザナギイザナミはどうだったかな。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/08/28(Thu) 22:26>

「ハル」は、「心」(明治29年出版)に入ってます。
私も本としては1冊しか読んでないんです。
ただ、新潮文庫の「小泉八雲全集」は、いろんなところから少しずつ選んで載せられていますから、結構読み応えあります。

私が小泉八雲を読もうと思ったのは、英文学の夏季休暇の課題で、イギリスの小説を10冊読まなくてはいけなかったからなんですよ、実は。
が、「小泉八雲は、正確には英文学とはいえないわねぇ」と却下されてしまいました(^^ゞ 確かに・・・。

ハーンだって、実際は、セツを怒鳴りつけたりしたこともあるんじゃないか、とは想像するんですよ。
ドラマの中では、セツに対しては、いつも優しい顔をしていましたけど。たまには、セツに対して冷たくあたり、セツが立派な接し方をしたということもあるだろうなと思いました。
だから、ハーンの文学の素晴らしさは、セツ抜きでは語れないだろうなって。
もちろん、ハーンが採取した数々の怪談はセツから聞いた話だということもありますけどね。
もちろん、ドラマにもでてきた「西田千太郎」のような人物の存在も抜きにできないですね。

ちと長くなって恐縮ですが(^^ゞ
「日本雑記」に、「破られた約束」という掌編があります。
「後添えをもらわないでください」と言って若い妻が亡くなります。夫は一旦それを約束するのだけど、妻が亡くなって数年すると、周りの強い薦めもあり、後添えさんをもらうんです。
ところが、夫が遅い日など、後妻さんが寝てると、「チリ〜ン、チリ〜ン」と鈴の音が。
先妻の棺に、夫が入れた鈴の音です。
・・・結局、後妻は先妻の霊に取り殺されてしまいます。

これだけなら、ただ怖いだけの話なのですが、このあとが振るってるんです。

「『これはひどい話だ』と私はこの話をしてくれた友人に言った。『この死人の復讐は・・・もしやるなら・・・男にするべきだ』
『男はみなそう考えます』彼は答えた。『しかし、それは女の感じ方ではありません』
彼の言う通りであった」

・・・私はもし、旦那が浮気したら、旦那を怒りますけどね(^^ゞ

でも、このハーンの最後の言葉は、妙におかしくて、これを話した友人はどんな人か、と想像したくなります。

西田教頭ではないでしょうね。
下条アトムが演じた「西村外交官(?)」が似合いそうです。

巫女舞については、特に、なんとも思わなかったのですが、イザナギ・イザナミについては、イザナギが、櫛をなげたら筍になる・・・などの説明がなかったので、ちと食い足りなかったです。
櫛が筍に、鏡が氷の池にという話は、ハーンはすごく喜んだと思うのに(T_T)



<こたつ城主 [関東] 2003/08/29(Fri) 21:45>

>のりちゃん様

「心」でしたかっ☆ミ

ちょっと年代順にハーンの住地と日本に関する主な著作物を書きます。
明治23年(1890)、●来日〜松江
明治24年(1891)、●松江→熊本
明治25年(1892)、●熊本
明治26年(1893)、●熊本
明治27年(1894)、『日本瞥見記』●熊本→神戸
明治28年(1895)、『東の国から』●神戸にて日本入籍、小泉八雲となる
明治29年(1896)、『心』●神戸→東京
明治30年(1897)、『仏の畑の落穂』●東京
明治31年(1898)、『異国風物と回想』●東京
明治32年(1899)、『霊の日本』●東京
明治33年(1900)、『日本雑記』●東京
明治34年(1901)、『明暗』●東京
明治35年(1902)、『骨董』●東京
明治37年(1904)、『怪談』、『日本』、●東京にて没
明治38年(1905)、『天の川綺譚』

私は子供の頃に買って貰った本が一冊、亭主が英文のを買ったのですが、勿論これは全く読めてません(笑)。他には松江で買った引用文が挿入された伝記のみで(^^ゞ。
で、昨日、二冊ほど注文してしまいました(^^ゞ。高いですよね〜。
新潮社が良かったのか。先に聞けば良かったなぁ。。。

>「小泉八雲は、正確には英文学とはいえないわねぇ」

い、痛い所を……(苦笑)。

松江で買った伝記には一雄氏(長男)の回想があり、どちらかと言うと、セツのハーンに対してより、ハーンのセツへの熱愛ぶりが窺えました。
そしてその根拠が、心底同情から出発したものであった事、実母への果たせなかった孝養がそれにさらに加わったことがありました。
ただ一雄氏は10歳ぐらいで父に死に別れたわけで、夫婦のことを知り尽くしてるとも思えませんから、のりちゃんの言う事も当たってるかも(^^)。

後妻を先妻の霊が呪い殺す話は、前にも聞きましたね(^^)!
これが「破られた約束」だったんですね。購入しようとアチコチ調べたら題名が出て来ました。
でも確かにこの話は、単なる怪談として紹介されるより、それについて語られる段が面白そう(不謹慎ですが:笑)。
「友人」をドラマの配役で考えるともっと面白いですね(笑)。西村(下条アトム)も似合いそうですが、案外こういうことは服部(津川雅彦)が言いそうですよ〜(^。^)。

なぜなら私は、イザナギ・イザナミを服部が「いずこの夫婦も仲が悪い」と締め括ったあのドラマが、けっこう味を出してると思うんですよ(^。^)。
伝える人は、そりゃ多少の個人的味付けがあって伝えるんだけど、「ん? 本当か?」とハーンは自分で探して古事記を読み、ただの「珍しい友人から聞いた話」で済ませなかったからこそ、日本まで来たのだと読みました(笑)。

だから、あの段で「櫛が筍に、鏡が氷の池に」は出さなくて正解と思ってます。
なぜならあのドラマを見て「ん? 本当か?」と思った視聴者は、自分で古事記を読むからです(笑)。



<朝川 渉さま [関東] 2003/08/30(Sat) 17:09>

城主さま、閉店間近な掲示板を訪れて下さってありがとうございます。仕事が忙しいのは何よりもあほらしいですが、飯のためだから仕方なく掲示板は止めます。

だいぶん前、ハーンにちょこっと興味を持ったことがあって、新宿区大久保の旧居跡に行ったことがあります。いまは公園になっていて、ギリシア風の野外展示品があったような気がします。
まるで覚えていないから、たぶん大した物はなかったんでしょう。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/30(Sat) 23:36>

>朝川 渉さま

ああ〜、行き掛けたら、もぉ閉店だったのですね〜(TOT)。。。
ただの閉店なら次の日に行くんだけど、長引かれるのでしょうか?
でも、なるほど仕事で……長引きそうですなぁ(^^;)。

私のハーン病も、時折火が点き、後は尻つぼみになるのを繰り返すんですが(爆)、そう言えば八雲の邸宅跡ってのは思い付きませんでした。松江に行くと、ダダ〜ンと史跡になってるんですがね。
でも思えば、東京が一番長いんですよね(^^;)。特注の机とかキセルとかありませんでした?
 
     

     
  <のりちゃんさま [近畿] 2003/08/31(Sun) 10:21>

ハーンとセツの夫婦は、ハーンの熱愛ぶりが目立つ関係だったのですね(少なくとも子供の目から見たら)。
ただ、もしかしたら、あの時代は、亭主は威張ってるのが普通だったため、英国的レディーファーストは、「ムチャクチャな熱愛振り!」に見えたという可能性も、ふと考えました。

それに対し、セツのハーンへの奉仕は、あの時代の男性から見ると「当然」とか(~_~)

こたつさんがおっしゃるとおり、服部(津川雅彦)は、すごくいい味出してました。
この人もまた、特に目立った演技をするわけじゃないんだけど、ハーンが「日本を愛するヨーロッパ人」であるのに対し、服部は「日本を愛する日本人」をすごくよく表現してて、この二人の愛し方の対比を面白く感じました。

確かに、「女の感覚じゃない」って言いそうですしね(~_~)



<こたつ城主 [関東] 2003/09/01(Mon) 18:21>

>のりちゃん様

ハーンの子供ったって明治の人ですからね(笑)。今から見れば古いでしょうが、それより10歳の子が「窮状を救うため、実母への思慕も重ねて熱愛した」なんて知ってるワケありませんから(^^;)、ハーンの話の殆どは、セツが聞かせたのでしょう。
つまりセツは、よほどハーンに感謝してたのだと思います。子供に「恩を忘れてはならない」と語り聞かせるほど。

子供として知ってる話は、セツが旅に行くハーンを追い駆けて宿に現れた時、ハーンに語りかけた声がとても艶やかで、ハーンが「もう一度あのように呼んで下さい」と妻に冗談を言ったそうです(笑)。

復讐を同性にするのは女の感覚というのは、服部(津川雅彦)も言いそうだけど、あんがい西田(小林薫)も言いそうかな(^^;)。
ドラマでは妻のクラ(樋口可南子)に時々ツッコミ入れられてましたよね(笑)。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/09/01(Mon) 22:14>

>ハーンに語りかけた声がとても艶やかで、ハーンが「もう一度あのように呼んで下さい」

なんてことない話なんでしょうが・・・。
こういうエピソードを聞くとときめいてしまいます(笑)
その時のセツの表情とか、声とか想像しちゃうんですね。

私もいろいろ読んでみようと思います(#^.^#)
そして、またここに書き込みます(~_~)



<こたつ城主 [関東] 2003/09/02(Tue) 19:07>

>のりちゃん様

小泉セツについては、ちょうど新しい本を注文した所なので、入手したら又お話できそうです(^^)。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/09/02(Tue) 22:01>

セツについての新しい本!
是非感想や内容聞かせてくださいね。
「日本の面影」で、セツに対しての興味がひしひしと湧いてきました(#^.^#)



<こたつ城主 [関東] 2003/09/03(Wed) 20:39>

>のりちゃん様

八雲の本は注文はしましたが、入荷はノンビリしていそうです(^_^;)。3週間とか書いてあったかなぁ。その頃また話しますね。
 
     



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