<掲示板・議事録>

小泉八雲「日本の面影」、3

     
  <のりちゃんさま [近畿] 2003/08/13(Wed) 23:08>

「布団の話」っていう題名でした。

旅人が、旅館に泊まるんです。
その旅館には、ひょっとことおかめの面が飾ってあって、これが効果的に使われるんですよ。

「兄さん寒かろう?」で、ひょっとこの面にカメラが移動、
「おまえ寒かろう?」でおかめの面に・・・。
口で説明すると笑えるけど、みたら、すごく怖かったんですってば、本当ですってばっ!!!!!!

「怖い中にも哀れ」って、わかりますね。
雪女も、耳なしも、何か、人の気持ちの悲しさを感じます。
「むじな」は、あっけらかんとしてるほうかも(笑)

>のりちゃん作だよね?(笑)
なははははは。
「布団」の時代、まだ怪談・・・もとい、階段つきの家屋はあまりなかったでしょうしね(^^ゞ

中国の怪奇話って、なんか、「個人」に対する愛着が薄いようにも思います。
前も言ったかもしれませんが、娘の幽霊が人間の男性と恋仲になり、「あの人と添い遂げたいから」と、死んだばかりの娘の体にとりつき、「生まれ変わり」ます。
ところが、その娘は、あまり器量よしじゃないんですよ(^^ゞ
すると、その幽霊娘ってば、
「こんな醜い姿に生まれ変わるくらいなら、死んだほうがましよ」と(爆)

とんでもね〜幽霊です(~_~)

ハーンが中国の怪奇物を読んだとしたら、絶対東洋へ来ようとは思わなかったと(^^ゞ

幽霊の存在を認める宗教って少ないんですね。
その割りには日本では、仏教寺院での幽霊出没率が高いのは、日本的大乗仏教のおおらかさでしょうか(笑)



<北畠具顕さま [東海] 2003/08/13(Wed) 23:29>

>のりちゃん
おいてけ堀もやったことありますねぇ。
怪談落語でもなんでもそうですが演じる人数が少ないと怖さっていっそう増しますよね。
だから稲川順二の話なんぞみんな聞きにいくんでしょうね。

>ラストのシーンで、布団が階段から転げ落ちるんでしたよね(←しつこい(笑))
続けなくて良いんですってば(笑)

城主さま
>>続けなくて良いですっ(笑)

>え〜、こたつ頑張ったのに〜(^。^)。
頑張らなくていいんです(笑)怪談じゃなくなっちゃうしね(笑)
ハーンの怪談は怖いというよりなんかしみじみしますねぇ。
怖いものが好きじゃないんですがハーンのは何か心に染みます。
「飴を買う幽霊」の話も好きです。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/14(Thu) 19:34>

>のりちゃん様

>口で説明すると笑えるけど、みたら、すごく怖かったんですってば、

わかる気がする(^^;)。私も「日本昔話」は見てたから、何となく雰囲気で。
私も子供向けの本で読んだ限りですが、確か、すぐに幽霊の仕業とわかるワケじゃないんですよね。最初は、ふすまを隔てた他の部屋から聞こえて来る声だと思って、軽く叱り付けたりするんですよ。それが実は……という構成でした。ああ、怖っ。。

「人形の家」では、自分と同じ不幸を客(ハーン)が負わずに済むよう、娘がおまじないを薦めるんです。
ハーンは笑っておまじないを無視する。すると亭主が娘に「旦那さんはお前の不幸を背負って下さった(だからお前の不幸は終わったんだよ)」と言ってやる。
結構ジ〜ンと来ますよ。

その点「むじな」は、不幸な娘に声をかけて、とんでもない目に遭うんですけどね(笑)。

中国の怪奇物が個人の話じゃなくなってるのは、やはり膨大な人口と膨大な歴史による所があるんじゃないかな(^^;)。中国ってどうしても、発想が「統計的」になるんですよね(笑)。
きっと、女の幽霊と生身の男性の恋の話は腐るほどあって、その中でも変わった話……「とりついた娘が不器量」が1/100で、「だから幽霊が嫌がった」がさらに1/100で、そこまで狭まって、やっと採用とか(笑)。

日本はその点、たった一人の幽霊を大事にする余地があるのかもしれません(笑)。


>北畠具顕さま

>「飴を買う幽霊」

この話もドラマでやりましたね。ドラマでは、絵だけ登場する話と、人形劇と、人間が演じるのと、いろいろパターンをやりましたが、これは絵だけでした。
わざわざセツを連れて、お寺に行くんですよ。この話の実際にあったと言われるお寺で、それも墓の前を選んで、セツに話をさせるんです(^_^;)。
怖い話と言うより、やはり母の愛に的が絞られて、切ない話でした。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/08/16(Sat) 10:14>

「布団の話」は、ストーリーも、語りもよかったです

人形の墓(ですね?)を読み直してみました。
ハーンの描く日本人は、美しいですね。
自分の不幸を淡々と話す、そして、自分の不幸が他人に伝染らないように気を配る、11歳の娘。

娘とハーン双方に静かで暖かい気配りを見せる万左衛門。

娘の不幸を引き受ける、ハーン。

奇跡的に美しいです。

中国の怪奇物は、いくつものオーディションで残ったもの?
なるほど(^^ゞ
確かに、どれもこれも、一風変ってました(笑)



<こたつ城主 [関東] 2003/08/16(Sat) 18:40>

のりちゃんへのレス。

×「人形の家」(←それはイプセン:汗)
○ 「人形の墓」

であります(笑)。スイマセンでした(^^ゞ。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/16(Sat) 18:42>

>のりちゃん様

そうそう。布団の話と一緒にしたのは「人形の墓」です(^^ゞ。1回間違うとそのまま間違い続けるという……(笑)。
ハーンの気さくさも娘の一途さもステキですが、その間に挟まって、二人の何気ない交流に意味を持たせようとする万左衛門の締め括り方が素晴らしいですよね。

「乙吉ダルマ」という作品にも、無邪気で小さな幸せを生きる日本人の姿が出て来ます。
「鳥取の布団」にせよ、物語に絡んでそれとなく、日本の家屋やしきたりについて紹介されてる点もステキです(^^)。

こうした「何気なさ」をハーンが誉めてくれなければ、日本も中国の話と同様、風変わりな物が極端に伝わったかもしれませんね(笑)。
 
     

     
  <のりちゃんさま [近畿] 2003/08/17(Sun) 22:28>

私が持ってる本(新潮文庫)には、「乙吉ダルマ」も、「鳥取の布団」も載ってません。 どんな風に紹介されてますか?



<こたつ城主 [関東] 2003/08/18(Mon) 13:56>

>のりちゃん様

「乙吉ダルマ」は、殆どが、雪景色の美しさ、達磨大師の事、日本ではダルマは玩具にされてるなどの説明が書かれてます。

最後に、ハーンが泊まった宿の請求費が凄く安かったので、ハーンが倍にして支払う話が出て来ます。
その翌朝ハーンが宿を出発する時、ふと神棚を見ると、前日まで片目しかなかったダルマに、両目がしっかり描かれてたというラストなんです(^^)。

「鳥取の布団」には、前説明として、西洋と日本の建築や寝具の違いが書かれます。
これが無いと、最初に聞こえた子供の声を、隣の部屋からと思って子供に注意する客の勘違いが、西洋人には理解できないからなのですが、判りきってる日本人が読むと、むしろ怖く感じさせる効果になってます(^^;)。
日本昔話では、この微妙な"マ(間)"を「お面」で補ったのではないかな?



<のりちゃんさま [近畿] 2003/08/18(Mon) 18:41>

さて、私は、英語は得意じゃないんですが、ハーンの文章だけは、原文で読んでみたいと思うんです(と言いつつ、まだとりかかってもいませんが(^^ゞ)。

「乙吉ダルマ」に登場する達磨、何の願いをかけられてたんでしょうね?
関西で、ダルマの寺といえば、「勝尾寺」ってのがあるのですが、境内どこを見てもダルマで、しかも、色とりどりのネオンは光るわ、噴水はあがるわ・・・で、わびもさびもありません(^^ゞ

ハーンが見たら、びっくりするでしょうね(~_~)



<こたつ城主 [関東] 2003/08/19(Tue) 14:41>

>のりちゃん様

小泉八雲と言うと「英文学畑」つー印象がありますが、それとは関係なく、私は子供向けの本や、伝記スタイルの本に出て来る引用部分しか読んだ事ないけど、「これって原文でどう言ってるんだろう」とは思います(笑)。

ダルマ寺なんてあるんですね(゚.゚)。ネオンに噴水? それ寺ですか?(笑)
ハーンの「盆踊り」の描写など読むと、今の日本を見たらガッカリするだろうな、という気分の一方で、彼は古事記に魅せられて日本に来ながら、あんがい庶民の雑事を面白がってた一面もあった気がします。
「乙吉ダルマ」には、そんな他愛の無さを愛する心情が溢れてるように思えます。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/08/19(Tue) 19:01>

今日、たまたま、ネットサーフィンをしてたら、「だるま寺」は、結構知る人ぞ知る心霊スポットだったらしいです(^^ゞ

でも、ハーンが愛するような悲しい霊ではなく、結構スプラッタだそうな(^^ゞ

つくづく、時代は流れたんですね(~_~)



<こたつ城主 [関東] 2003/08/20(Wed) 17:18>

>のりちゃん様

「だるま寺」は、心霊スポットだったんですね(^^;)。
でもスプラッタで言うなら、『幽霊滝の伝説』なんか、かなりのモンですよ(汗)。
 
     

     
  <のりちゃんさま [近畿] 2003/08/20(Wed) 19:25>

「幽霊滝」ってどんな話だっけ・・・と読み返してみました。

母親が麻欲しさに度胸試しをしたせいで、背負われた子供の首をもがれた・・・と、略してしまえばこれだけの話ですが、ここでもハーンは、優しい見方をしていますよね。
母親のことを、「貪欲だったのである」とせずに、「肝が座った女だったのである」と説明している(~_~)

しかし、こういう話って、腑に落ちません。
なんで母親が悪いのに、子供が犠牲になるんでしょうね?



<こたつ城主 [関東] 2003/08/21(Thu) 19:47>

>のりちゃん様

『幽霊滝』、私は子供も何か不気味に感じちゃって(^^;)。。母親の犠牲になったのか、自分から抗議して神に召された(?)のか……。
ハーンの意図は後者にある感じがしたり。。

と言うのも、この伝説(と言うか事件)、住所(鳥取県黒坂)も母親の名(安本お勝)も時代(35年前)も、妙に具体的な点から、実話じゃないかと思うんです(^^;)。
つまり実際には、どっかに子供の首を引っ掛けて、もいでしまったのではないかしら(汗)。
となると、↓

>なんで母親が悪いのに、子供が犠牲になるんでしょうね?

と世間に言われるのに同情して作られた話が元、という気も(^^;)。。。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/08/21(Thu) 22:10>

で、幽霊滝の真相、面白いですね。
そういや、雪女も、
「殺人現場を目撃してしまった男と、殺人を見られたので、目撃者を見張るために恋人になった女性の話」と見立てた話がありました。

怪談も、そうやって見ていけば、何か、人間ドラマがありますね。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/22(Fri) 20:52>

>のりちゃん様

雪女にも殺人事件が絡んでるんですね。私も「隠れ里の掟」みたいな話を聞いた事がありました。
八雲の時代は、まだ禁断のムードも濃厚なら、逆に解禁のムードもあって、ある意味、面白い話(と言ったら御幣があるでしょうが)が多かったんじゃないかな(笑)。
あ、ビデオ手に入るようで何よりですね(笑)。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/08/23(Sat) 15:19>

ところで、隠れ里の掟というか、隠れ里にまぎれこんだ武将や僧侶の話は、今昔にたくさんでてきます。
どの武将も僧侶も、その郷の人に「現世に返してあげるから、この郷のことは口外してはいけませんよ」と言われたのに、ぺらぺらしゃべっちゃうんですよ(~_~)

戦国時代に入っても、隠れ里の存在は信じられてたんでしょうか?

それから、そうなんです。
「知られざる日本の面影」のビデオ、見せてくださるという方が見つかったんです。わ〜〜〜いっ!!
ってことで、見たら、また、この話題させてくださいませm(__)m



<こたつ城主 [関東] 2003/08/23(Sat) 22:57>

>のりちゃん様

隠れ里伝説は、今昔に多いんですね〜(゚.゚)。なるほど!
ハーンも怪談は、『古今著聞集』『夜窓鬼談』『怪物与論』『玉すだれ』『臥遊奇談』などを原典にしたそうです。
戦国期に限らず、逃亡途中で村人に助けられた等の話は、数知れずあると思います。
信長も秀吉も家康も、命からがら逃げた話がありますが、中でも、家康の伊賀超えや秀吉の金ヶ崎の殿などは有名です。

ビデオ見られるようで、良かったですね〜(#^.^#)。
見たら、こっちこそ感想を是非ぜひ〜(^^)。待ってます〜♪
 
     



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