<掲示板・議事録>

小泉八雲「日本の面影」、1

     
  <こたつ城主 [関東] 2003/07/29(Tue) 19:52>

題名:NHKの片棒を担ぐつもりはありませんが(笑)

↑08月04〜07日、4夜連続9:30から、NHK−BS2で「日本の面影」を再放送します。夜中にBSつけてて知りました。

これは小泉八雲の生涯をドラマ化した物です。1984年放映と言ってたかな?
かなり好きなドラマで、前に再放送した時録画したのですが、いかんせんビデオテープが古くなり、今は音も画像もあまり良くないので大変嬉しいです。

怪談もたくさん出て来ます。むろん八雲の人生を彩る一端として登場する劇内劇なので、納涼としては物足りないでしょうが、情緒タップリといった感じには浸れます。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/04(Mon) 19:40>

題名:BS2で『日本の面影』再放送

↑今夜09:35から、4夜連続です。どうぞお見逃しなく(^^)。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/05(Tue) 21:34>

題名:『日本の面影』1話(BS2)

↑見ました(^^)。今日は今から2話が始まります。

前に録画したビデオは、再生するだけで機械(ベータ)が壊れたら怖いと思うほど古いビデオなので、殆ど何年かぶりに見たって懐かしさでした。
本放送の時は第二話(今夜もうすぐ!)から見ましたから、実際には昨日放送した第一話は当時は再放送で見た回でした。だから実質上、1話から見たのは殆ど初経験でした。

全ての話を知ってから数年経ってますから、改めて第一話から見ると、身震いするほど(ハーンの愛した)日本の情緒に心打たれます。
万国博覧会のニューオリンズ。賑やかに浮かれ騒ぐブラスバンドの楽曲を、いきなり破って画面に現れる『日本の面影』のタイトルと音楽。
特に音楽は実に繊細で、ジ〜ンと来ました。

列強にひけを取るまいと、これでもかと外国で胸をはる明治の日本人と、先進文化に取り残され、幽霊談を追い駆ける現地の新聞記者(ハーン)。
ともに賑やかさの中で抱える孤独感から、徐々に心を通わせあう様子は、まさに今の日本のアチコチにありそうな光景です。ドラマのハーンは今で言う「引き籠り」ですかね(笑)。

まだ1話では、古事記しか登場しませんが、2話からいよいよ、様々な「怪談」が登場します(^^)。
私の中で古事記と言えば、服部(津川雅彦)の魅力的な語り無しでは、まるで興味の無い世界でしたが(爆)、ハーンはあれをギリシャ神話より上だと評して日本に来てしまいます(笑)。「イザナ〜ギ・イザナ〜ミ」を繰り返す様子が可愛いです。

だいたい、後になって何度もビデオを繰り返し見てしまうのは2話と3話です。特に松江での、初めて来る外人を取り巻いての描写は、ホントに何度見ても飽きないですよ(笑)。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/06(Wed) 19:47>

題名:『日本の面影』2話(BS2)

↑昭和59年放送だそうで、もう19年も前なんですね!
当時は気を付けてませんでしたが、外人との同行に魅せられて、横浜から松江に来た青年が、ハーンに「西洋の真似なんかするな、日本の伝統に目を向けろ」とか怒られて始終イラ立つ様子が、今見ると感慨深いですね(笑)。

当時から列強に学ぶ姿勢で努力し続けた横浜と、相変わらずの偏見の中でも「外人さん」(ハーン)を迎え、「ご飯じゃのぅて、パンがいいですかいねぇ」等と暢気なことを言ってる松江。
「豊かさ」を勝ち取ったのは前者ですが、今でもハーンがいたらどう言うでしょう。尚も「心の豊かさこそが」とか言うんでしょうね(笑)。

今日は3話です。いよいよ「小泉八雲」となるわけですが、2話で、その妻「セツ」との出会いを果たしました。
病床で目を覚まし、住み込みで入ったばかりの傍らの女中に名を聞き、「セツ」「セツ」と唱え、安心して寝入るハーン。彼にとっては「ギリシャ神話=母」と同等(以上)に、「日本の神話=セツ」が重要なんですね(^^)。

出雲大社の巫女の舞などは、当時は「ヤケに長いシーン」と思ったものですが、これも今は感慨深いです。私も島根の夫に嫁ぎながら、その実殆ど行ってませんから、ハーンと同じ程度に幻の郷里となり果ててます。
ハーンは出雲大社に行く道中、巡礼の一団に出会って、「古代の神々への信仰が続いている」とか感動するんですが、あれは仏教ではないかと(^^;)。もっともその後に彼の言う通り、自然への崇拝という点では明確に分けられないでしょうが。

怪談は既に「むじな」、「飴を買う幽霊」、「幽霊滝の伝説」が出ました。幽霊滝はわりと怖かったです(^^;)。後は「雪女」、「耳なし芳一」が控えてます。だんだん長い話が増えて、役者さんも露出してきます。
 
     

     
  <のりちゃんさま [近畿] 2003/08/07(Thu) 08:41>

日本の面影、BSじゃなかったら、見たかったんですが。
うち、ケーブルテレビなんですが、受信料払うの嫌さに、エーブルテレビサイドに頼んで、スクランブルかけてもらってるんですよ〜〜!!

普段、ほとんどテレビは見ないので、ケーブルテレビはほとんど見ないのですが、見たい番組があると思ったら、BSだという・・・(-"-)

う〜〜〜む。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/07(Thu) 19:49>

題名:『日本の面影』3話(BS2)

↑セツとの結婚。ハーン役のジョージ・チャキリスはスタジオ入りして、セツにプロポーズするシーンをいきなりやらされたそうです。
実は彼の主役には、脚本の山田太一氏に迷いがあったようです。理由は「美男子すぎる」との事でした。チャキリスの熱意に折れて採用という逸話を読んだ事がありました。

渋谷の本屋でこれの全脚本版を見た時は、思わず値段も確かめずに買いました(笑)。
中を読んで意外だったのは、脚本の求めてない演技に非常によく光る要素があった事、それとは逆に、セリフには出ない部分にここまで細かい指定があったのか、という点でした。 特にオープニングに出る日本人形や民具、子供のオモチャなど、これこれでなくてはならない、と言った細かい指定事項が実に多いのです。
これにはスタッフも驚いたようです。相当の知識が無ければ出来ないですし、また通常なら、大道具小道具といった演出係に任せるからだそうです。

良いドラマとはこういうものかな、とボンヤリ思った覚えがあります。
演技やセリフには俳優に任せる度量をもち、それを引き立たせるための、しかし目立たない部分には、神経質なほどの配慮で盛り立てる。
勿論まったく逆の方法で優れた脚本家もいるでしょう。これが正しいという物など無い世界ですから。

ハーンはセツとの幸福のうちに松江を離れ、熊本に赴任します。小泉家の人々もよく描かれてましたね(笑)。
怪談は『雪女』。真行寺君枝と田中健でした。

本日4話はいよいよ最終回。
セツとの結婚にいたった事件、「日本は男性がメカケを持つ事に寛容」に憤りを覚えたハーンでしたが、彼が古い日本に腹を立てたのはこの一度のみで、その後の殆どは、「新しい日本」との葛藤になります。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/07(Thu) 19:50>

>のりちゃん様

>日本の面影、BSじゃなかったら、見たかったんですが。

いいのっ(#^.^#)。今のうちに宣伝しとけば、後でビデオが出たり地上でやった時、みんなに覚えといて貰えるからっ(←誰も覚えてないって)。

でも、そうそう。BSって「うっ、入らねば!」と思った時には、もう遅いって事が多いですよね(-_-;)。だもんで、「もうイイのはやらんだろ」と思いがちなのよ。。。(そしてまた同じ臍を噛む)



<のりちゃんさま [近畿] 2003/08/08(Fri) 08:52>

>みんなに覚えといて貰えるからっ(←誰も覚えてないって)。

覚えてます。絶対(きっぱり)
以前、こたつさんが、ハーンが、日本の「イザナギの黄泉の国探訪と、イザナミとの夫婦喧嘩」を見て、「ギリシャ神話より面白い!」って言って、日本へやってきた、と話されてたことも、きっちり覚えてますっ( ̄^ ̄)

・ ・・だから、今回見れないのは、悔しい〜キ〜!!!



<こたつ城主 [関東] 2003/08/08(Fri) 21:47>

題名:『日本の面影』4話終了(TOT)

↑熊本赴任以降、八雲の死までが駆け足でした。熊本の後は、神戸、東京。
あれだと物凄い悲劇になってしまうのだけど、テーマ自体が「消え去る古き良き日本の面影」なので、八雲の最後のセリフ通り、「ソレ〜デ、ヨ〜イノデス〜」。
名作とは、人の心に残らなくてはなりません(;_;)。

でも一度、朝ドラ辺りで後半生もタップリやって頂けないでしょうかね(爆)。

西田千太郎役の小林薫がいいです。こんな日本人が昔は居たんだな、と思わせます。西田の死のあと、ハーンを慰めようとセツが最後に持ち出した怪談が『耳なし芳一』でした。
登場と同時に「あっ」と思わせる手法ですが、ハーンによると「話ワカテ、ヨ〜イノデス」なので(笑)、言ってしまうと、芳一役を同じ小林薫が演じます。

ハーンが日本をどのように捉え、国として人間として理想としていたか。
それは歴史や伝説の真実性といった考証より、文学者に近い立場ではあったし、日本で過ごした14年で、早くも二年目には挫折した点など(笑)、彼が、現実の日本を愛し得たかどうかは疑問とも言われますが、ドラマでは以下のように言ってました。

「単純、温和、親切、丁寧、ユニーク、物語、子供のように疑いのない信仰心を失って、日本人は、どこにでもいるつまらない民族になろうとしている。学生はどんどん利己的になり、鈍感で空威張りばかり。何事も軽薄に疑い、人の善意を足蹴にし、日本は見る見るほほえみを忘れ、野卑で傲慢で、明治以前の老人を軽蔑し、ひからびたレモンのように、苦くて空虚になっていく」
こんな事言いながらも、ちゃっちゃか日本国籍に入ってしまったワケですが(笑)。

得た分、何かを失う限界は認めるにしても、バブルの近付く日本でもこうした作品が作られた事について私が思うのは、ただただ、失う一方である必要までは無かったのではなかったか、という事でした。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/08(Fri) 21:50>

>のりちゃん様

そんな事しゃべったかな(爆)。
しかしオルフェウスとの比較は、ドラマにも出て来ました(^^)。
そして亡くなった妻を「蛆がコロコロ」とかさんざんに描かれ、最後は「まあ、いつの世も、夫婦というもんは仲の悪いもんで」と締め括られるのに対し、「ワンダフォー! ギリシャ神話より素晴らしい!」と(^^;)。
 
     

     
  <たみいさま [東海] 2003/08/09(Sat) 13:07>

こたつ城主さま、
「日本の面影」、見終わりました。
はい、小林薫、良かったです。。平家の墓所の前の芳一、琵琶の音、久しぶりに素晴らしいものを見た気がしました。

中堅として、西田千太郎のような人物が各地にあらば日本人の顔は、かくも悪くならなかったかも知れない。



<たみいさま [東海] 2003/08/09(Sat) 13:16>

追記: 分りやすい英語で、タメになりました、(^^;)。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/08/09(Sat) 20:04>

杉浦日向子さんの作品に「東のエデン」というのがありまして、主役が、明治の時期に日本へやってきたアメリカ人なんです。

この物語の主役は、ハーンと違い、日本の文化になかなか馴染めないのですが、その中で、「オペラを見に行ったら、プリマドンナのコロラチュラに合わせて、日本人がわはははと笑った」なんてのがありました。

多くの在日の西洋人が、日本文化に馴染まなかった中で、ハーンは、かなり「珍し」かったのかもしれないですね。



<こたつ城主 [関東] 2003/08/09(Sat) 22:56>

>たみい様

たみぃ様も見ておられたんですね(^O^)!

西田千太郎の妻を樋口可南子が演じてましたが、小林薫とは『峠の群像』で結ばれなかった恋人同士の役で終わってました。
それが『日本の面影』では、ハーン夫婦を暖かく見守る役回りになってて、二夫婦には理想的な友情が描かれてましたよね(^^)。
怪談を語ったのがセツだったので、尚更、西田への思いが重なった描写になって、芳一は二重に素晴らしい出来でしたね。

>分りやすい英語で、タメになりました、(^^;)。

同じく(笑)。今回はメモ取ってたのですが、咄嗟の時に役立ちそう↓

What do you mean?
Not at all
Don't worry
That all she can say
What's wrong?
What mater witth you?


>のりちゃん様

ドラマなので、多少偏った描き方もあったと思いますが、ハーンは元々、西洋に嫌気が差して日本にやって来た、という具合の描かれ方でした。
それが神戸の西洋人の社交場では、「長年日本に夢中だったが、今は西洋の良さを見直した」とは言ってました。

ただ、すぐに一度見直した西洋にも嫌気が差すのですよ(^^;)。理由は「西洋人は日本人を見下している」でした。
これには恐らく両親の離婚への彼自身の思いがあったのでしょう。ハーンの母はギリシャ人、父はアイルランド人なんです。

一度はアメリカに帰る事も考えたシーンがありましたが、きっとセツを母と同じにしたくはなかったのでしょう。日本に永住し帰化してしまいます。
 
     



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