|
|
|
|
鳥居の無い神社に伝わるお話(群馬、賀茂神社)
<魔矢さま [関東]
2002/01/16(Wed) 18:33>
太田宿の先にある賀茂神社には昔は当然のことながら
鳥居はありました。江戸時代のある年のこと、例幣使の一行が
下野国へ入る前に休憩をしようと賀茂神社に立ち寄りました。
例幣使様や共の者が鳥居の下で休んでいると
どこからか一匹の犬が現れて、例幣使様に向かって
「ワンワンワン、ワワワン、ワン!」と激しく吠え始めました。
「ええーい、うるさいやっちゃのう。シッシッ!」
と例幣使様は犬を追い払おうとしましたが、その犬は
「ワワワン、ワワン、ワワワワワワワン!!!」
とますます激しく吠えたてます。例幣使様はブチ切れて
「おのれ、この野良犬め。わしを誰と思うておる。
わしは帝の使いで日光へ赴く例幣使であるぞ。
誰か、このやかましい犬めを成敗せい!」
と命じたので、「ははっ」と剣術に腕のたつ部下が刀を抜いて
その犬の首をスパッと一瞬にしてはねてしまいました。
胴体から離れた犬の首はそのまま高く舞い上がり
グルグルと回転しながら鳥居の上へ跳んでいきました。
そして鳥居の最上部に巻き付いていた毒蛇の体を
食いちぎってから下へ落ちてきたのです。
例幣使様は唖然としました。その犬は、例幣使様の
頭上にいる毒蛇の存在に気づき、危険を知らせようと
懸命に吠えていたのでした。
「なんという忠義ものの犬じゃ。死してまで毒蛇を
食いちぎるとは…わしはなんと軽率なことをしてしまったのじゃ。
すまないことをしてしまった…」
例幣使様は村人を呼び集め、この勇敢な犬を手厚く供養するように
命じ、そもそもこの神社に鳥居などなかったら毒蛇も登らず、
この名犬も死なずに済んだということで
「こんな鳥居など片付けてしまえ!」と、鳥居の撤去まで
命じてしまい、村人は代々その命令を忠実に守ってきたので
明治維新後も賀茂神社には鳥居は建てられなかったというのが
地元に残る伝承であります。
めでたし、めでたしって… 犬がちょっと可哀相ですね。
<こたつ城主 [関東]
2002/01/17(Thu) 15:42>
>魔矢さま
賀茂神社のワンちゃんのお話、泣けますね〜(TOT)! 良いお話をありがとうございました〜!
>「なんという忠義ものの犬じゃ。
かどうかはともかくとして(^_^;)、
>このやかましい犬めを成敗せい!」
って例幣使様もどうかと思うし、
>「ははっ」と剣術に腕のたつ部下が刀を抜いて
>その犬の首をスパッと一瞬にしてはねてしまいました。
ああ〜ん(>O<)! ダメよ、ダメよ、そんな事したらぁ〜! こたつは毒蛇が出る前にココで泣いちゃいましたぁぁぁ〜! ……にしても、
>そもそもこの神社に鳥居などなかったら毒蛇も登らず、
>この名犬も死なずに済んだ
こ……この理屈は一体……(^^;)。しからば城主が続きをば(コホン(-_-))。
「ところがその鳥居は、ナント、例幣使様から毒蛇を遠ざけようと一生懸命に背伸びをしていた事が後になって判明したのでした。それを知った例幣使様は、『ええいっ、何と気の毒な事をしたものだ! こうなったのもそもそも、ココに神社があったからで……』こうして賀茂神社は撤去されてしまったのですが、後になって判明したのは、その神社が例幣使様を毒蛇から庇おうとして、ナント……」 *エンエンに続く*
せっかくの美しい逸話が……( ̄∇ ̄;) 。。。 |
|
|
|
|
|