<掲示板・議事録>

戦国時代の饗応メニュー再現

     
  <テェタレさま [北陸] 2001/12/20(Thu) 23:26>

そう言えば、戦国の頃の美味いモノって何だろうね。戦場に持ってく乾し飯とか、信長が桶狭間の前に食った湯漬けとかのイメージはあるのですが、あの頃のおご馳走ってどんなんだったんでしょうかね。確か家康は天ぷらであたったんでしたっけ。



<こたつ城主 [関東] 2001/12/22(Sat) 22:45>

>テェタレさま

戦国期は文献の残りにくい時代ですから、食べ物に限らないでしょうけど、中でも食べ物が一番謎が多いんだとか。だいたい「江戸期にはもうあった、室町ごろにはまだ無かった」って感じで推測されてる感じがします。
「せんば」という野菜の煮物があったようなんですが、これがどんな食べ方したのか、未だによくわかりません(^_^;)。
醤油はまだだけど味噌はあり、米は仰せの通り乾し飯にして、どちらも携帯したそうです。乾し飯を湯で戻したものも「湯漬け」だったでしょうし……。家康が食中りしたことで有名な天ぷらは、今の天ぷらとは違うんだとか……。

私はそれなり美味い物を食べてたと思ってます。産地でさえあれば米も食べたでしょうし、漁港なら新鮮な魚をふんだんに食べたでしょう。



<テェタレさま [北陸] 2001/12/24(Mon) 00:21>

>こたつ城主さま

>戦国期は文献の残りにくい時代ですから、食べ物に限らないでしょうけど、中でも食べ物が一番謎が多いんだとか。

なるほどね。
信玄や謙信なら、何となく「禅寺風の飯」とか「ほうとう」を食べてる、なんてイメージが湧くんだけど、信長や秀吉なんてのは、結構、奢ったもの食べてそうで、想像すると楽しいですね。

そう言えば、広島県呉の近くに下蒲刈島って島があるんですけど、そこには、朝鮮通信使を接待した館があるんだけど、当時の通信使の記録に「下蒲刈御馳走一番」とあるんだそうです。それに因んで、当時の接待料理を再現した料理を出してくれる店があって、私も昔、そこに行ったんだけど、何食べたか忘れたなぁ。(笑)

>だいたい「江戸期にはもうあった、室町ごろにはまだ無かった」って感じで推測されてる感じがします。

そうか、室町時代って、案外、庶民の生活振りが判ってるんですね。

>醤油はまだだけど味噌はあり、米は仰せの通り乾し飯にして、どちらも携帯したそうです。

ありゃ、醤油はなかったんですか。味噌があるなら、醤油まではもう少しでしょうにね。でも、魚醤の類はあったかも知れないですね。「しょっつる」のようなやつ。

>家康が食中りしたことで有名な天ぷらは、今の天ぷらとは違うんだとか……。

そう言えば、長崎じゃ、丸い薩摩揚げのことを天ぷらっていうなぁ。蒲鉾とか練り物の類は、保存も利くし、歴史があるかもしれませんね。



<こたつ城主 [関東] 2001/12/25(Tue) 17:47>

>テェタレさま

>信長や秀吉なんてのは、結構、奢ったもの食べてそうで、

信長と言えば……京の三好衆を追い払った時、三好家にいた坪内石斎という京の料理人を捕えて岐阜城の牢に入れたそうです。

当時の京料理の達人と言えば、包丁一本で将軍家のお祝い事など、イチイチ意味のある伝統的かつ芸術的な演出まで熟知してないと務まらない。その腕を惜しんだ信長の料理人が、牢から出して使ってやって欲しい、と信長に頼むんですね。

信長は聞き入れ、料理を作らせるんですが、食後「首を刎ねよ」と命じるんです。坪内石斎は「もう一度だけチャンスを」と頼みこんで、次の日また料理を作ります。信長はこれを食すと処刑を取りやめ、以後、石斎は信長の料理人となるんです。

後日、石斎はこの一件の種明かしを話すんですが、それによると、最初の膳は薄口の一流の京料理、次に作ったのは濃い味付けだった……つまり「信長の舌は田舎者」と言ったのですが、これを聞いた信長は、特に怒らなかったそうです。

>広島県呉の近くに下蒲刈島って島があるんですけど、そこには、
>朝鮮通信使を接待した館があるんだけど、
>それに因んで、当時の接待料理を再現した料理を出してくれる店があって、

再現料理って食べてみたいです〜! お幾らぐらいしたんでしょ。戦国期のご馳走には「鶴肉」が出たんだそうです(今ならとんでもない話ですけど(^^;))。

>魚醤の類はあったかも知れないですね。「しょっつる」のようなやつ。

うん。あったかも。醤油もあったでしょうね。ただ固体物の方が携帯しやすかったかな。

>長崎じゃ、丸い薩摩揚げのことを天ぷらっていうなぁ。

そうそう。今のような「コロモ」をつけた物ではなかった、という事だと思います。

>蒲鉾とか練り物の類は、保存も利くし、歴史があるかもしれませんね。

練り物は出雲のを食べると「これが原形に近いかな」って感じがしますよ。何と言うか……酒臭いんですね。ただ、添加物が入ってないんですぐ腐ります(^_^;)。保存は利かない。ナマよりはいいだろうけど。
 
     

     
  <テェタレさま [北陸] 2001/12/25(Tue) 21:41>

>こたつ城主さま

>信長と言えば……京の三好衆を追い払った時、三好家にいた坪内石斎という京の料理人を捕えて・・・・・

うん、この話どこかで読んだ気がします。
京料理っていうのは、豆腐とか湯葉とか身欠きニシンとか京野菜の漬け物とかってイメージがあって、独自のものなんでしょうね。そもそも、料理っていうのは、その地方地方の、国々の文化そのものって気がします。戦国時代において、田舎料理と言われても、その時代の基準で言えば、京料理以外は全て田舎料理であったのじゃないかと思うから、信長も気にはしなかったんじゃないですかね。

>再現料理って食べてみたいです〜! お幾らぐらいしたんでしょ。

うむ、忘れてた。五千円はしなかったのじゃないかと思うけど、あやふやです。ごめんなさい。 m(_ _)m

>戦国期のご馳走には「鶴肉」が出たんだそうです(今ならとんでもない話ですけど(^^;))。

さぞかしめでたい鳥だったんでしょうね。
そう言えば、某県某所の某料理店では、ご禁制の鳥「つぐみ」をまだ食べさせてくれます。まあ、さる筋に対する遠慮があるので、メニューには「○○すずめ」という名で出ておりますけどね。(笑)

>練り物は出雲のを食べると「これが原形に近いかな」って感じがしますよ。

竹輪の類ですか? たしかあの辺では、トビウオの竹輪がおいしんですよね。一寸、黒っぽいんですけど。



<通行人γさま [地球外] 2001/12/26(Wed) 03:04>

信長が茶会やった時の献立がどっかにあったはずなんだが……

あの頃は白鳥も食べたそうです。



<こたつ城主 [関東] 2001/12/26(Wed) 16:23>

>テェタレさま

>うん、この話どこかで読んだ気がします。

司馬遼太郎さんの『国盗り物語』に出てます。吉川英冶さんも書いてたかな。『国盗り』は、文化人光秀の視点から描いてるから、尚更面白いんですけど。

>信長も気にはしなかったんじゃないですかね。

と、司馬さんは結論してますね。「俺の料理人は、俺の口にあう料理を作れ」って動じない。むしろ信長は京料理なんか食い飽きてて、最初のは「又これか」って頭に来たって具合。
でも前に、「全国各地の料理」みたいな本でもこの逸話に触れてて、「さしもの信長も、自分を恥じた(料理人の腕に感服した、だっけかな)」みたいな感じで、同じ逸話でも解釈で随分ちがうもんだなぁ……と(^^;)。

>ご禁制の鳥「つぐみ」をまだ食べさせてくれます。
>メニューには「○○すずめ」という名で出ておりますけどね。(笑)

ええ〜! そうなんですか? ナントカすずめってメニューは私も見た事ありますけど……実は「つぐみ」なのかしら?

>竹輪の類ですか?

そうです、そうです(^^)。「あご野焼き」って言います。トビウオのようですね。コレがすごく美味しかったんで、買って帰ったら……腐ってました(-_-;)。



<こたつ城主 [関東] 2001/12/26(Wed) 16:29>

>通行人γさま

茶会ではないけど、前に『歴史読本』(昭和62年9月号)に、「フェスタ信長'87」(^^;)で再現した企画を、写真入り公開してました。安土城で家康を饗応接待した時のメニューでしょうかね。曰く、↓

<一の膳>
@ 湯引きタコ、A鯛の焼き物、B菜(カブ?)汁、Cナマス、D香の物(大根の味噌漬)、Eフナ寿司、Fご飯(を筒状に盛り固めている)
<二の膳>
@ うるか(鮎の内臓の塩辛)、Aウナギの丸蒲焼き、Bホヤ冷汁、C山芋の干しナマコ包みの味噌煮、D貝アワビ、Eハモ照り焼き、F鯉の汁物
<三の膳>
@ ウズラの姿焼き、A鶴のとろ汁味噌仕立て、山芋添え、Bかざみ(ワタリガニの一種)、C辛螺(サザエ?)の壷煎、Dスズキ汁
<四の膳>
@ 巻スルメ、Aフナ汁、Bシイタケ、Cシギの壷焼きの茄子田楽詰め
<五の膳>
@ マナガツオ刺身、A生姜酢、Bカモ汁、C削り昆布、Dゴボウ
<菓子の膳>
@ 造花(鑑賞用?)、A干し柿、B豆飴、Cクルミ、D花形に切った昆布、E羽二重餅
 
     

     
  <河内判官大夫さま [近畿] 2001/12/26(Wed) 23:33>

>『歴史読本』(昭和62年9月号)
……!カキコしやうと思って先越されましたな(^o^;。
写真つきで、鯛がとても美味そう……(笑)。
しかしその号。メインテーマは「南朝秘史」でしたね。
判官が取り扱おうとしてゐるのがまさにその箇所です。
また特集記事も読んでみてくださいね。



<テェタレさま [北陸] 2001/12/27(Thu) 01:08>

>こたつ城主さま

信長の再現料理、面白いですね。
>フナ寿司
え、安土だから? しかし家康はどんな顔して食べたのですかね。
>ホヤ冷汁
これは、分からないですね。ホヤって東北のモノでしょお。
>巻スルメ
そう言えば、朝鮮通信使の接待料理にもスルメはあったなぁ。

>ええ〜! そうなんですか? ナントカすずめってメニューは私も見た事ありますけど……実は「つぐみ」なのかしら?

ええっ、滅多なことでは手に入らないご禁制の品ですぞぉ、お代官様。(笑)

>「あご野焼き」って言います。トビウオのようですね。

何故だか、トビウオのことをアゴと言いますね。対馬に行くとアゴの干物がおみやげで有名なんだけど、めちゃくちゃ固いです。



<こたつ城主 [関東] 2001/12/27(Thu) 17:39>

>河内判官大夫さま

>>『歴史読本』(昭和62年9月号)

目ざといですな(^。^)。さいでがす。
ジャ〜ン! 『異形の天皇家−南朝秘史』!
でも読んでないです(爆)。なぜ買ったのかなぁ……(そしてなぜ捨ててないのか)。でも、買って家で開いたら、偶然『信長フェスタ』の記事があった、という記憶があるので、恐らく南朝秘史が目当てで買ったんでしょう。

>また特集記事も読んでみてくださいね。

は〜い。パラパラ……南朝って北朝より軍事力が圧倒的に低かったんですねm(。。)m。



<こたつ城主 [関東] 2001/12/27(Thu) 17:45>

>テェタレさま

>信長の再現料理、面白いですね。

でしょ、でしょ(#^.^#)。 *ルンルンルン♪*
写真で見ると、鯛とカニが目を引くのが今と一緒かな〜。
でも、椎茸や胡桃や干し柿(どれも、そのまんま)なんてのは、「コレが当時のご馳走?」と思いました。椎茸は松茸より貴重品?

こたつはフナ寿司もホヤも食べた事ないです〜。でも「当時の交通事情や保存技術を考えると、気の遠くなるような贅沢な料理だったに違いない」と書いてありますから、クール宅急便を使って運んだのかも(^^;)。

>ええっ、滅多なことでは手に入らないご禁制の品ですぞぉ、お代官様。(笑)

これ、越前屋(^。^)。その方、何ゆえそのような秘め事を知っておるのじゃ。

>>「あご野焼き」
>対馬に行くとアゴの干物がおみやげで有名なんだけど、

アゴって、トビウオの事だったんですね(*_*)! テェタレ様って、対馬も行った事あるんですか?



<テェタレさま [北陸] 2001/12/28(Fri) 01:06>

>こたつ城主さま

>「当時の交通事情や保存技術を考えると、気の遠くなるような贅沢な料理だったに違いない」と書いてありますから、クール宅急便を使って運んだのかも(^^;)。

いやぁ、江戸時代、富士山の氷穴に保存していた氷は、夏場の超貴重品だったそうですからねぇ。クール宅急便? めちゃくちゃ高いですぜ、きっと。(笑)

>これ、越前屋(^。^)。その方、何ゆえそのような秘め事を知っておるのじゃ。

ほほほ。お代官様、蛇の道は蛇と申しまして、そこはそれ色々と。(笑)



<こたつ城主 [関東] 2001/12/30(Sun) 00:03>

>テェタレさま

そうそう、子供の頃、絵本(学研の雑誌だったかな)で読んだ記憶があります。富士山の氷穴から物凄く大きい氷を切り出して、エッサエッサと江戸まで運ぶんですね〜。で、それが将軍さまのお口に入る時は、ひとかけらの氷に溶けちゃってる(^_^;)。

>ほほほ。お代官様、蛇の道は蛇と申しまして、そこはそれ色々と。(笑)

ワシが見掛けた〇〇スズメのメニューは、浅草か上野か新町か銀座(←わからなすぎっ)だったと思うがのぅ……。
 
     



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