<石和川中島合戦戦国絵巻・総集編レポ08>


     
  武田軍は「鶴翼の構え」と言う事になるんですが、実際には上杉部隊が敵陣(武田本陣)近くまで侵入しやすいように、下のように、初めから真中を空けて待ってます(^_^;)。

これは、本当は、敵(上杉部隊)を、翼を広げて押し包むがごとく形になっているのが本来のスタイルです。

武田軍兵士たち
何でもいいから、早く来いよぉ〜



<上杉軍「車懸りの戦法」1・まずは突撃>

対する上杉軍は、武田隊の空いている真中を通らせてもらいます(^_^;)。

上杉軍兵士たち
何でもいいから、突っ込むぞぉぉ〜

実際にどう見えるかは、観客席カメラに切り替えて見てみましょう。↓

以下、中央の「テレビ画面の位置」に注目。

突っ込めぇぇ〜〜! おおおおおおーーーーー!!!          テレビ画面

ドドドドーーー! 中央(↓テレビ画面)を走り抜け……

テレビ画面                武田軍に到達! 上杉の猛攻っ!(に見える)

かなりの長い距離を走らされてるのがおわかりかと思います(^^ゞ。
しかしこの距離、走りの早い人と遅い人の差が出た方が見た目に大きく見えますし、走ってる方も(疲れはしますが)、途中で持ち慣れない槍を持ち替えたりなど、ちょっとユトリが生まれるので、功を奏してます。

ここまで、今度は上杉の視点に切り替えて見てみましょう(^^)。

突入の直前は、忍者(が居るんですよ、祭りの進行係サンですね(^_^;))から伝言が廻って来て、演習の時に言われた通りとか、どれどれの順番で突入せよ、等と指令が兵士じゅうに飛びます。
そして本番「上杉軍、突っ込めー」のナレに沿って、2〜3隊づつ、多少まとまった人数で突入。

振り返ってるのは、こたつ城主(右:笑)↓

うおぉぉぉ〜! 武田が見えて来たぞぉぉぉ〜!

そしてこの時は一切の戦闘行為はありません。ただ走るだけ(^^ゞ。

かくして掃除機に吸い込まれて行く(笑)上杉軍〜〜〜!

さっきの通り、向こうの武田軍は軍を二手に分け、間を空けて待っていてくれるので、その合間にただ走り込んで行きます。
 
     

     
  <上杉軍「車懸りの戦法」2・武田本陣到着>

じゃ、続きをまた観客席から(^^ゞ。

車懸がどういう戦法なのかはハッキリ判ってないそうです。
が、ここでは武田軍の中央を突破して、武田本陣に到達したら、兵士達の背を回り込み戻って来ます。大よそ「敵陣に揉み込み、その戦団を切断し、あるいは霍乱するように去って行く」という描写に仕立てられてます。

揉みこんで行く、上杉の「車がかり」

あたかも武田軍に同化・吸収されるように、突っ込む先から姿を消す上杉軍

やがてすっかり姿が見えなくなります(一部すでに後方に回り込んでます)
橋を渡って出て行くのは演出部隊。上杉や武田の動きとは関係なさそうな行動でした。

突入した上杉軍の視点に切り替えますと↓

ついに武田本陣(中央に信玄)に到達!
やあやあ、皆さん、石和町へようこそ(なぜか余裕の武田本陣:汗)

あ〜信玄さま☆ミ こんにちは〜!(笑)

信玄とその周りを固める武将や各大将達の顔が勢揃いしてます。この時はじめて上杉軍は武田信玄をはじめ、有名な武田24将達を間近に見れるのですっ(≧▽≦)。遠い石和まで来た甲斐のある一瞬です!
戦闘モードをかなぐり捨て、こたつ亭主は毎年ここでバシャバシャとシャッターを切ってくれてました(笑)。

で、ここまで到達すると、武田軍の兵士達はもう居ません(^^ゞ。この先に進んではならず、この後は、武田兵士の後ろを廻り込んで元に戻って行くのであります〜♪
 
     

     
  <上杉軍「車懸りの戦法」3・馳せ違う上杉軍>

そして、武田に揉み込んでいった上杉兵士達が左右二手に分かれ、折り返して描け戻って来ます。↓

新たな第二陣と戻って来る第一陣が、中央で交差

攻め入る隊(奥)と、攻め終わって戻る隊(手前)の「はせ違い」の様子。

この「はせ違ってる」時に、知り合いの人を見つけたり、逆に自分を見つけてくれる人が居る事もあります(^^ゞ。
が、この「車がかり」では走るのに精一杯で、あまり周囲をのんびり見てるユトリはありません。

又この頃、観客席の目の前の橋や川で殺陣部隊の人達も活躍開始です。

見よっ、この構造的な舞台装置を!

この後方の車がかり兵士達と前方の殺陣(橋以外でも切り結んでる人達は演出部隊です)は、観客席からは、兵士達と一体化した立体感を醸していて、ドラマチックな舞台に見せてます。

が、この様子は観客でも橋のすぐ前にいる人しか見れません。この写真は、高坂隊にいた最初の2003年、まだ観客席に待機していて、しかも橋の真ん前だったのでやっと撮れた一枚です(^^ゞ。

我々はゴテゴテした甲冑をつけてますので、一度場所を定めたら、そうそう動けません。亭主に撮影を任せっきりで(^^ゞ、車がかりの全容を写すに至りませんでしたが、そのかわりに兵士達の走るのを背景に、川を挟んで橋の上の殺陣隊の演技を写してくれました。↓

 
橋の上ではさんざん斬りあい……→
ボチャンと川に……。
橋の上の殺陣をこうして見たのも、これが最初で最後。

殺陣の人達はこうして何度も橋の向こうとこちらから斬りあいに参加し、橋の上で少数がさんざんに揉み合い、演技の果てに川にもろとも落ちては観客から歓声を浴びます。

伝説の川落ち部隊(上杉軍にて撮影)
「しっかりしろ!」「お前が落としたんだろ!」
なんて言ってるかどうかは不明(^_^;)。

↑川の方は橋ほど一部ではないので、観客席でも前面に座っていればよく見えると思います。
 
     

     
  <次々と波状攻撃>

兵士一人について、2〜3度ていど突撃しますかね。2度は確実です。
戻ると自分の隊の人が揃ったかを、ざっと確認し、もう一度列に並ばされて追加の突撃に加わります。

「車がかり」は一説には、まず集団で行って、そこから一団が放たれては敵の各枝を叩き、また別の一団が放たれては別の枝を叩く、という具合に描写される向きもあります。
つまり大きな車輪が敵の軍に近付き、車輪から矢でも放たれるようにまとまった一団隊が放射される、という具合です。

ここではそんな複雑な動きも見せ方も難しいですから、とにかく「次々と繰り出される」という局所的な部分を見せてます。
つまり「ドッと大軍で行って、ドッとぶつかる」というのではなく、「少数づつ行き、それが戻って来るのを待たず、次の部隊がまた繰り出される」という「波状攻撃」を展開します。

兵士だった時の記憶では、この波状攻撃には2〜3隊ていどが一陣として、一緒に突撃したと思います。
1隊で大将一人を含め約10人以上の構成ですから、20〜40人程度が一度期に突っ込んで行くわけですね。

全体図。中央の黒い塊が「車がかり」

武田本陣。突っ込んでは赤い武田軍に吸い込まれ

吸い込まれたと思いきや、新たな部隊が現われまた攻め入る

まだまだ新たに突撃していく上杉軍。「うぉぉぉ〜!

こんな風に「次々と突撃が繰り返される」という感じです。
まぁ本当に見てて「贅沢に人数を使って見せる祭り」の一言に尽きます(^^ゞ。
で、見てて全く飽きないですね(笑)。

これが映画のロケになれば費用もかかるし、参加する方も行動を規制されて大変でしょうけど、本人達は気楽に参加して、見てる方もこれだけ楽しめるんだから、ホントよく考えたと感心します!(笑)

私達こたつ隊は、武田にいても別働隊(高坂隊)にいた事しかないので、この上杉「車がかり」を武田側から見た事は無いのですが、武田から写して下さった方の写真を見ると、こんな感じのようです。↓

うおぉぉぉ〜! どどどどどぉ〜っっ!!

素晴らしく威圧感のある黒々とした軍団(笑)。
武田では「間を空けて通してやれ」と命じられるのですが、言われなくても、来られたら思わずどいちゃいそうです(爆)。

それでも上杉軍としては「どこが到達点か」が気になってますし、武田兵士たちを通り過ぎると、思いの丈は全て、「武田信玄」に行ってます(笑)。

ムッ 殺気?!(爆)
兵士達の後方にいる武田本陣は、この時は整然としてますが、到達した上杉兵士達は、人だかりを抜けた途端ズラリと並ぶこの武田本隊を見るので、けっこう興奮します(笑)。

でも、ここで攻撃などを加えてはいけません(^_^A)。すぐ駆け戻りましょう。

キャーキャー(≧▽≦)、信玄サマッ、こたつですーーーー!!

と心の中でご挨拶するにとどめましょう〜(笑)。
 
     

     
  さて、信玄サマに「こんにちは」の後は、ひたすら武田勢の後方を廻り込んで下(左)のようにタッタカ戻って行きます。
撮影してるとか到着が遅れるなど、遅れを取るとわりと焦ります(^_^;)。

最後の部隊の引き上げ
上杉陣に戻って来て並び直します

また「はせ違い」で戻って来る時なら、上杉軍にいても「車がかり」の突撃の様子は見れます。↓

うおぉぉ〜! 見よ! 一年分の発散じゃあぁぁ〜!

まだまだぁ〜! よっしゃー、今年は充分遠いのぅ! 行け行けぇぇ〜!

↑戦場に奥に燃え盛る火の海を背景に、実に猛攻(^_^;)。

「ほぉ、今年も威勢がいいのぅ」「感心してる場合じゃありません、次行きますよ」
などと言い合ってるかどうかは不明(笑)。ナレーション武将どの&進行係サマ

観客席ではこのナレーションを頼りに物語の進行を知ります。戦場ではボワ〜ンと響いて聞こえにくいですが、観客席にはとてもクリアに聞こえてます(笑)。
ここから「上杉兵士、突っ込めー! 行け行け行けぇぇ〜!」などと声がかかると、よしっとばかり、兵士達にスイッチが入るという仕組みです(^^ゞ。

まぁ何しろ、こんな風に一を賭けて突っ込んで行く人々は、どう考えても「初参加」の人達とは思えません(爆)。
せいぜい一度目の突入で雰囲気を掴んだか、前の突入を見て「ああやるんだ」と早く察したかでしょお(笑)。

大抵は最初の突撃では「え? 行くの? いいの? わ〜遅れたぁ〜」という具合に出だしが遅れて、前方に大きく引き離されます(^^ゞ。

ちょっと感じをお伝えしますと、こうです。↓

うおぉぉぉ〜っ! どどどど!(あ〜行っちゃったぁ!と前方の背を見送る)

おのれっ、遅れまじぃ。行け行け行けぇぇぇ〜!
この年は、わりとみんなゆっくり走ってくれた方でしょう。

これって体力の差がモロに出る場面なんですよね(^^;)。

亭主、寝不足の割に前列の勢いのある方についてってます。

(でも私は遅れてます:爆)

こんな感じで、攻め入って行く時ですら間が空いてしまいますから、戻って来る時には、一緒に突っ込んだ人達がどこ行ったかわからない程バラバラになってます(笑)。↓


また突っ込んで行く時は、このようにわき目もふらずに中央を行くわけですが、逆に戻っていく兵士達は外側を走ってますから、川沿いの殺陣に初めて間近に遭遇します。

折り返して上杉本陣に戻る途中で、右は拡大↓

また川沿いの殺陣は、上杉軍からも戦闘に参加してない僅かな間なら見れますが、大抵は次の走りに行くのに精一杯で、あまりゆっくりは見れないです(^^ゞ。

うっヤラレたぁ〜、と川辺に転がる死体に……。