<石和川中島合戦戦国絵巻・総集編レポ06>


     
  一方、撮影でもしてない限り、この時間帯の上杉軍は眠気が極限に達してます(笑)。
観客席だとアナウンスがよく聞こえ、また全体が見えるので、進行してる段取りやストーリーがわかって、先に興味を繋げられるんですが、戦場では音楽はよく聞こえるんですが、詳細はまったくわからないので、返って音楽が子守唄のように心地良いのです(笑)。

春風とBGMと待ちくたびれで、ウトウトする上杉本陣および兵士達

そこへ……ドッカ〜ン!(ウヒョー(*O*)!)

おおおおぉぉぉ〜っっ!

もちろんこんな間近から打ち込まれるワケじゃありませんが(笑)、気分的にはこれぐらいヤラレた感じがする程、「何っ?」って感じで目が覚めます(^^ゞ。

ドガガァァ〜ン! 実際にはこれぐらい距離があります↓

これだけは、上杉軍に向けて、武田本陣のど真ん前で行われるので、遠いですがよく見えます。

発砲の瞬間、火を噴く所を撮ろうと何度もシャッターを切る人も居ますが、なかなか撮れません(^_^;)。

ズッドォォォ〜ン!!

ウヒョ〜目が覚めたぁ。
我々雑兵は床机なんて無いから、地面に直接座ってます。

晴れていても午前中とか前の日に雨だったりすると、土が湿って、たいそうお尻が冷たいですね(^_^;)。

一方、観客席でも轟音はハッキリ受け取れますが、遠いのでこんな感じです。↓

2006年、腹ばいに体を寝かしながらの射撃も披露。

↑この撃ち方は初めて見た気がします。
通常は撃った直後、その衝撃を受け止めるように後方に体勢を移すのですが、これではそういう事が出来ないので、難しい撃ち方なんじゃないかな、と想像します。

通常の撃ち方。観客席からズームで撮影。

しかし実戦では場所を選んでいられないので、色んな撃ち方も出来ないと役に立たないのでしょうね〜。
個人的に2006年はこれの後、秋に米沢(山形県)に行きまして、資料館でこの稲富銃の実物や資料の展示を見て来ましたが、こうした詳しい点については判りませんでした(^^ゞ。
 
     


武田「三献の儀」

     
  <武田軍・伝令〜軍議>

さて、それまでの優雅な雰囲気にちょっとした緊張感が走ります。
「ヒヒヒ〜ン!」と突然馬の高鳴く声が響き、パカラッパカラッと一騎の騎馬武者が武田の陣営に飛び込んで来ます。(馬の嘶きや馬蹄は音響アナウンスです(^^ゞ)

やがて騎馬武者が駆け抜けるのが見え、場内のナレーションは両陣営各々の動きを順を追って報じ、武田上杉の対峙の時を知らせます。

パカラッ! パカラッ!(武田のほろ武者ですね)

伝令の騎馬武者は本陣・信玄の重臣達の前へ!「申し上げます!」

「上杉謙信が越後を発ち、海津城に攻め込んで来る気配!」

これらは全て上杉軍から撮影〜♪ ズームは10倍まで目一杯拡げてます(^^ゞ。

かくして武田信玄は出陣を決意。
これまでは、これより武田家の作法にのっとり、『三献の儀』が執り行われるという段取りで、軍議がこの前後に少し入った気もします。

それが2006年には、軍議に山本勘助が登場。武田信玄との会話が入る構成になってました(^^)。
今年(2007年)は『風林火山』を放映してるので、又やるんでしょうね〜♪

これを合図に座ってた武田軍もいっせいに立ち上がります。



<武田・三献の儀(戦勝三献)>

観客席からお届け。
本陣はそれまで、信玄を中心に重臣達が横一列に並んで座ってましたが、席を川の前に移動して、信玄の背後を固めるように重臣や大将達が立ち尽くします。

ゾワゾワ〜と信玄サンの廻りに24将が集まります。

兵士達(左)は待機。各隊の武将のみ勢揃いで、中央に信玄を囲みます。赤い袴の進行係の方が「もうちょっと前、はい、そこで止まって」とか指示されてます(^^)。

係の人の指示に従って、立つ場所が固定されます。

信玄さま(左端)に諏訪法性兜をお持ちする兵士(右端)
兜を着用完了

この武田軍の最大のイベント「三献の儀」、ワ〜ッと皆が集まった後は、信玄公が杯をあげる動作の他は、近侍の人が酒を酌んだり、奉納の盆を捧げたり、信玄の兜を着用する細かい動きがあるにはあるのですが、観客席から遠く「あ、ちょっと動いた」と思う事がある程度です(^^ゞ。

それでもこの通り、観客席からは「何かやってる」というのだけは何となく判ります。
 
     

     
  ところが……ナント、当の武田軍(儀式に呼ばれないさらに後方の兵士達)には、まっったく何も見えないのです(笑)。なぜなら……。↓

この通り、大将達の背と旗がズラリと壁になるからなんです(爆)。

「うわっ、意外(^_^;)。武田に居れば間近に見られるのかと思った〜」と驚きました(笑)。
もちろん大将役をゲットした人なら近くで見れるでしょう。けれど、目の前が観客です。カメラを構えるとしても、ソォ〜ッと1〜2枚撮るのがやっとだと思います(^^ゞ。

そういうわけで、この儀式、何とも皮肉な事ではありますが、どうやら一番良いシャッターチャンスが与えられるのは、ナント「敵の上杉軍兵士」という事になるのです(爆)。

と言っても、この通り肉眼ではかなりの遠さ(小ささ)です。

↑ま、この年(2001年)は特に遠かった気がしますが(^^ゞ。
でもプログラムをよく読みこんでいない人だと、あっち陣営でチマチマと何かが始まる黒だかりが見えるな〜と思うだけで(^_^;)、そうなると上杉軍には「ちょっと眠い時間」の延長戦に過ぎません。

下は5〜10倍ズームです。それでも武田に居るよりは見えます(笑)。

兜を着用する信玄公(2004年)

2002年はかなり間近で見られました(^^)。デジカメのおかげもあってかなりの接写にも成功☆ミ

信玄のシンボルマークでもある諏訪法性兜が被されます。

そして厳かに盃を取り、酒を酌むのであります。↓

もちろんズームやオペラグラスなど活用すれば、観客席からもそれなり良い視点です。ただし……

カメラさんに阻まれます(笑)
ただテレビ画面でも大きく映し出されますがね(^^ゞ

こればかりはその時に取れた座席の位置によります。
これでも、ちょうど私の座ってた位置からカメラさん(白い着物に茶の袴)がちょうどタイミング良く、ほんの一足分だけどいてくれて、上手く撮れた方なんですっ(笑)。

ちなみに上のテレビ画面、2004年頃から戦場の中央奥に大きく出るようになりました。
カメラで撮ると配色が悪いですが、実際にはもっとクリアに見えます。

ただ実際には観客席からもあまり見ないです(^^ゞ。「あっと言う間に祭りが終わる」と感じます。
戦場より三倍は短く感じます(^_^;)。あれよの間にドンドン進行して、「うっ、あれも終わった、これも終わった」と、次の展開になるたびに歯軋りする程です。それだけ場に魅了されます。

山本勘助はこの後にあの特有の兜で信玄の前に進み出て、「きつつきの戦法」を献策してたと思います。

こうして厳かに、勝栗、鮑、昆布とともに三宝に捧げられたお酒を干した信玄公は、甲府を出発し、川中島に出陣して行くのです(^O^)/<いよいよねっ頑張れっ武田軍!
 
     


上杉「武蹄式(五沾水の儀)」

     
  <両軍に点く炎>

ちょうどこの頃、川に近い焚き火が点火されます。これは上杉軍です。
係の人がペットボトルに入れた灯油(かな?)をたくさん振り掛けます。兵士はすぐ近くに居て、辺り一面かなり灯油臭くなり、点火すると物凄い業火に包まれ、ちょっと興奮します(^_^;)。


やはりこの時間帯だったか、武田陣営からもすさまじい白煙が襲って来る事があり、上杉からは武田の陣営が全く見えなくなる事もあります(笑)。



<上杉・武蹄式(五沾水の儀)>

そうこうする内に、上杉本陣でも「武蹄(ぶてい)式」が始まります。
これまた何と言っても「上杉視点」に分があります(笑)。

上杉謙信「皆の者、起きろ!」(爆)

そう。まず上杉本陣(謙信と各隊の大将達の座席)が、兵士達からは写し放題なんです(^^ゞ。
これは、武田のように横にズラッと並んでるわけではないので、チョコッと場を移動して撮影しに行っても、兵士達は前列の兵士の背に隠れて目立たないので、わりと撮影しやすい雰囲気なのです。
さんざん「前の人の背で見えな〜い」と不平を言いつつ、この点だけはメリット♪

まず謙信と各大将は、あらかじめ用意されている祭壇の前に移動します。

謙信を真中に挟んで、各大将役は周囲をかためます。
(謙信の隣にいるのが僧侶、安養院)


これは謙信をはじめ、上杉の重臣たちの間で、越後春日山で行われたと伝わる出陣の儀式で、謙信自ら毘沙門天に祈りを捧げ、お供えした水を各大将に与えて武運を祈ったそうです。

これについて兵士達も、後ろを取り囲む事になりますが、その様子は「観客席から」見てみましょう(^^ゞ。

川の前に移動する謙信と各大将達

こちらも、各隊の大将さんが集まり、グルリと謙信さまを囲んで儀式を行います。
もちろんこれも観客席からは、何をしてるかまでは全く判りません(^^ゞ。


↑上杉陣はこの通り、兵士全員が立ち上がり、その前に進み出る上杉諸将の背後は、鬱蒼とした黒い人だかりとなります。

観客席よりズームで撮影

こちらの陣営には観光客が多いせいか、これが始まると何かケバ立つとでも言いますか(笑)、こう……ワラワラと黒い人だかりから、何とも言えない熱気めいた空気が伝わって来ます(^^ゞ。
その中にいると、あまりそうは感じないのですが……。

この見学の時まで「キビキビと迅速に動かないと、見た目悪いんだろうな〜」と思いつつ、これまでが上杉の兵士にとって一番眠い時間なので、どうしても「ダラダラした動き」になりがちなんですが、これは観客席から見て「意外と良い効果」と言えます(後でまた述べます:笑)。
 
     

     
  じゃ、また「上杉視点」に切り替えましょう。

謙信さまがまずお水を受けられます

それぞれの大将達はかがんで拝礼しながら水を受ける

大将役の一人だった、こたつ隊のshinさまの視点から一枚
さすがに居並ぶ重臣達の背後に立たないと写せないアングル!



ここで、shinさまからのレポート(実況中継)をご紹介しましょう〜♪

<shinさまのレポート(実況中継)>

大将の中から7名が代表で祭壇周囲に立ち、
祭壇に捧げた水を、各腰に下げた竹筒に頂きます
謙信公の代わりの人(進行の人?)が、三三九度などで使うような
水差しの銀色のもので、竹筒に水を移していました。
(この辺り、こたつ様に送っていただいた合戦のしおりの、
 武てい式の説明のままですね)
そして最後に、柿崎和泉守に毘の旗を渡されて終了でした。

代表となった7名の武将の方々は、
柿崎和泉守、水原壱岐守、須田相模守、新発田尾張守、
高梨源太郎、甘粕近江守…と記憶しているのですが
この時点で既に1名足りませんし、ちょっと誤っているかもです。

7名の方々以外の武将は、背後で床机に着席して
見守るという形でした。

shinさま、ありがとうございました〜☆ミ

さて、この「武蹄式(五沾水の儀)」、こうして観客席からはまぁまぁ、上杉の大将や兵士達からはかなりよく見えるんですが、これが武田軍に行くと……絶望的に何も見えません(笑)。

武田軍の兵士達はまだ近い方なんですが、正面に観客席がありますから、そうそう勝手に列を乱してヨソ(敵)の陣営に近づけませんし、ズームした所で、殆ど上杉兵士の背に覆われてしまい、その向こうで何かやってるのかな〜、ぐらいです(^^ゞ。

と、こうして滞りなく諸儀式を終え、いよいよ戦場は合戦を迎えます!!