<2003年・城主のたわごと3月>



2月は間を空けたが、今月も関東旅行記の続き。

いよいよ、長年の宿題だった「富浦」に到達しましたぞ〜♪




     
  2月はあっという間に過ぎて、又間を空けちゃったが、旅シリーズ続行である。



<念願の富浦までの道>

館山まで行こうと決したはいいが、亭主は、GWに入っても深夜まで残業の日々が続いたため、バテバテで午前中に起きるのがやっと(^^;)。出掛けるのは午後になった。

出掛ける前に、富浦の『枇杷倶楽部』という所に一報入れてみた。以前松戸で見た人形劇『南総里見八犬伝』の舞台稽古をしている、と聞いた事がある(詳しくは2001年6月の「城主のたわごと」をご参照下さい)。あれからちょうど一年経った。

せっかく遠い所を行くのだから、ちょっとツテを取りたくもあるし、かと言って出たトコ勝負というワケにも行くまい。今回のように急な出掛けとなった以上(いつだったらそうならないかはこの際おいといて:笑)、運良く稽古でもやっていれば、見学ぐらいさせて貰えるかもしれない、と電話してみた。しかし、

「今日は練習はやらないんです」
との答え。私は、
「とりあえず連絡してみただけで、本当に行けるかどうかもわかりませんので(^_^;)」
と、何しろもう出なくてはならないから、適当に電話を切った。

この時点で、行き先は富浦を越え、館山まで行こうと決まりかけていた。見るならやはり館山城あたりだろう。
木更津北までは、大多喜や久留里に行った時と同じだが、館山まで行こうと思ったら、もう一個先の木更津南まで高速を行かねばならない(大した違いじゃないけど)。

実はこの木更津南には、2001年「7月のたわごと」にもある通り、"高速教習"をした時、一度だけ来てみた事があった。
その時は真夜中だったから、周囲の景色など全く見えなかったのだが、今回は日中だから風景を振り返るゆとりがある(^^)。

……ハズだったが、まずは初めての道なので、亭主は運転、私は地図を見るのに一生懸命で、やはり周囲を見るゆとりは無かった(爆)。
さらに、同じ千葉県とは言え、さすがに館山は遠いから「行け行けドンドン、お城(館山城)の閉館までに間に合わせろー!」という調子で、さらに周囲を見るゆとりなんか無い(汗)。

そして……、ついに内房に到る前から大渋滞に遭遇。
「やっぱりGWだね(-_-;)」
「一本道だしね(-_-;)」
「無理だね館山城は。閉館時間には着かないよ」
「帰る?……にしても、Uターンする隙さえ無いよね」
一本道な上に、ちょっと転回できる抜け道が全く無い。

ここに来て、皮肉にもようやく周囲を振り返る"ゆとり"が出来る(苦笑)。
……ホ〜ホケッキョ♪
「おお(゚.゚)? ウグイスだよ」
……ケキョケキョケキョ♪
「ホントだ。長閑だね」

「ねえねえ、今日は夜泊まっちゃおうか。GWで宿はどこも一杯だろうし、やってても安くは無いだろうから、車の中で泊まってみる?」
「そうだね。まだお休みは当分あるし、やるならGW中がチャンスだね」
つまり車中泊という奴であるが、我々は車を買ってから初めてやるので、それがどれぐらい疲れるのか判らないのである。

長い長い大渋滞だったが、帰らないと決めたら気は楽で、上総湊あたりから見えて来た海に二人とも感動した。(写真はだいぶ空いて来てから撮影:笑)↓
返って地図の通りに次々と現れる各地名などゆっくり見られるし、こうなると渋滞も悪くない(^^)。
「確か金谷からフェリーが出てるんだよねぇ。前ネットで、横須賀に住んでる人が教えてくれたんだぁ♪」
「あるある、見えて来たね。大きい船だね。久里浜まで行くんだ」

そうこうする内に「海の家」なんか見えて来るではないかっ!(笑)
「あ〜、いいなぁ、海の家」
これまたネットで、魚介類の美味しい話をふんだんにする人がいて、前から話を聞いただけでヨダレものだっただけに、寄りたい気持ちは山々だったが、たまに渋滞が緩和すると「間に合うかもっ!」とか心がせめぎあって、結局煩悩だけを車に乗せて、しかしトロトロと通り過ぎる。(この、ゆっくり通り過ぎる辺りがとってもツライの:爆)

鋸山もゆっくり通り過ぎる。
「ロープウェイもあるみたいだね」
「ホントだ。入口がある」
まるで徒歩のようなスピード(笑)。

こうして鋸南も通り、ようやく富山に入って来る。

「街灯がカワイイ(゚.゚)」
右写真(→)の街灯が町のシンボルらしく、緑の葉っぱの上に白い花びら付きの灯りが乗っていた。既に夕方である。

←↑可愛らしい富山の街灯
(撮影は翌日:笑)

最初に見た時「露草(ツユクサ)かな」と見えたのだが、写真で確認すると白い花びら一輪で、ネット上調べると、これを「スイセン」「ハマユウ」「ミズバショウ」といろいろ書かれていて、どれが本当か判らない(笑)。

そうして富浦にようやく到着。これまた街灯が可愛らしく、富山のと雰囲気は似てるが、今度は枇杷の実である。しかし流石に日が暮れてきた。写真は撮ったが空が暗いのはどうしようもない(汗)。

しかしようやく渋滞からは逃れられた。
時間は5時を過ぎ、このまま館山まで行っても何も見られないのと、二人とも渋滞で疲れ、特に亭主を休ませなければならなかったので、富浦で休める処があったら休もうという話になった。

館山に入る分岐点に来て、道路を曲がったらすぐに目に入ったのが、
「あ! 『道の駅、枇杷倶楽部』って書いてあるよ!」
「え!」
亭主、慌ててUターン。
「ここ?」
「そうそう」
と道の駅に入る。→

これがまた可愛い建物だったが、 暗くならない内にとさっと写真を撮り、そしてトイレに行き、すぐに建物に入る。 入るや、
「すいません。今日は舞台稽古はやってないと聞いたんですが、人形劇の事を知ってる方はおられませんか?」
と受け付けで聞いてみる。
「今日は……ちょっと待って下さいね」
と受け付けの女性は奥に入ってしまい、しばらくしたら今度は男性がやってきた。

「今日は何もやってないのですが、人形劇なら8月にやりますよ」
男性は役場の人であるらしく、時間外(と言うか休日出勤と言うべきだろう。この日は5月4日、国民の休日)であるにも関わらずニコニコ顔で応対してくれた。
富浦は正しい税金の使い方をしている、と私は思った(爆)。

人形劇が8月にあることは、電話でも枇杷倶楽部に聞いたし、人形劇の公演を直接担当してる劇団(『貝の火』)にも問い合わせて知っていた。が、劇の詳しい内容がわからなかった。
そこで担当の男性は、道の駅内部の喫茶コーナーに席を勧めてくれ、いろいろとパンフレット類など下さりながら、今後公演予定の人形劇について教えてくれた。

松戸でやった『南総里見八犬伝』の脚本を書いた伊東万里子さんは、この富浦あたりが出身地であるらしく、帰郷の折に人形劇団の指導などされてるようで、8月の公演というのは、今は純粋に地元でやっている催しのようだった。
しかも地元の歴史にちなんだ内容を織り交ぜていて、その一つが、大房岬を舞台とした『竜子姫物語』というものらしい。伊東さんが脚本を手掛けているとも聞いた。

ちなみに大房岬というのは、道の駅『枇杷倶楽部』のある位置から館山に向かう途中、館山に行くコースからは外れるが、東京湾方面の海に突き出した岬をさす。

そうこう話す内に、そろそろ話も聞き終えた感じだったし、店内の喫茶コーナーから客がドンドン帰って行く気配も伝わり、営業時間の終了が迫っている感じがしたので、
「すいません。あれは」
と、いかにもソワソワと立ち上がって、私は店内に入ってからすぐに目についた、展示コーナーに飾ってある人形を指さした。
「このお人形も公演する人形劇に使われるのですか」
なぜこんな事を聞きたがるかというと、左の写真を見てわかる通り、人形には、
岡本城主、里見某
の名が……(笑)。

「これはもしかして、川本喜八郎さんが作られたのですか?」
「いやいや、まさか」
担当の男性は笑いながら、
「人形劇をやっていることだし、岡本城も近くにあるので飾ってあるだけでしょう」
というわけで、上の通り(↑左:担当の方、右こたつ城主)写真撮影にも応じて下さり、またWEBに出す了解を求めたところ快諾して下さったので、こうして載せさせては貰ったが、地元の方だから謙遜されたとは言え、実は私には、この人形がヤケに立派な感じがしたものだから、くどいようだが「念のため」小さめのサイズに加工し直した(笑)。

じっくり見たい人は現地に行きなさい(爆)。←結局コレが言いたい(笑)

この『道の駅』は、その名の通り鉄道の駅ではなく道路を行き交う人のために設けられた施設なのだが、なかなか良い雰囲気だった。
担当の男性と別れた後、閉店間際の喫茶店のメニューを目ざとくチェックすると、「枇杷パフェ」「枇杷ソフトクリーム」など、さすがは南総。枇杷・びわ・ビワだらけの美味しそうなメニューが満載である(^^)。

亭主は早速、枇杷ソフトクリームなど注文した。居心地が良くもうちょっと長居したかったが、食べると同時に店は終了となったので、これから夜の駐車をできそうな場所も探さないとならないし、道の駅を出て館山に向かう事とした。

<つづく>

2003年03月04日
 
     







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