<掲示板・議事録>

赤目四十八滝〜世界の童話と結婚観、4

     
  <こたつ城主 [関東] 2003/12/01(Mon) 18:42>

>のりちゃん様

そうそう。昔は恋人を「いも(妹)」と呼びますよね。古文で習いました。
ヘルン(八雲)はこれを「日本人は西洋人と違って、子供の頃が良い時代。だから恋愛感情があったとしても、だいたいが"幼馴染み"の発展系にすぎない」と書いてます。
これはまた鋭いと思いますね。日本最古にして異国文化の混じりけない恋愛長編、源氏物語からして、幼い頃の初恋が後半生にまで影響を及ぼしてます。
こう見てしまうと、樋口一葉の「たけくらべ」なんてのは、八雲の「赤い婚礼」と何が違うのか首を傾げます(笑)。

多くの地域で「妹背島伝承」があるというお話は、これまた説得力がありますね。
夫婦こそが世界の始まりで……という考え、これは中国辺りから入って来た概念かもしれません。それに無理に近付けると、「兄と妹」が出発点になってしまうんでしょうね。

で、「天福・地福」、面白かったです(^^)。ありがとうございました。
ちゃ〜んと舞踏会……じゃなくて(笑)、運命の日がやって来るんですね〜! ホントにシンデレラにそっくり(*o*)! いつ頃のお話かしら?

日本では良い魔法使いは山姥、って所も驚きました。
でもこの話、良い魔法使いは徹底して良い魔法使いだったり、悪い異母姉は徹底して悪い異母姉、というシンデレラとは違うんですね〜。姉妹が仲がいい所も違うし、泊めてあげる代わりに、山姥が頭の害虫を駆除させる点も……。
何かこの方が現実味があって面白いかもしれません。
ちなみに、頭の害虫の駆除は、スサノオと大国主の逸話に似てますね(笑)。

特に天と地になぞらえる姉妹の名が、シンデレラとは大きく違うんじゃないでしょうか。 やはり西洋は正邪の区別にやかましい土地。神様と悪魔に分けてしまう。
対して東洋では、正邪よりも陰陽で物事を見るから、互いに助け合う要素は抜けないんでしょうね〜。



<こたつ城主 [関東] 2003/12/01(Mon) 18:44>

>北畠具顕さま

ディズニーでは確か、その場で片方の靴を出しちゃった覚えがありますね。。
確かに「いい性格してる」かも(^^;)。
シンデレラは原作「サンドリヨン」だったかな。灰かぶり姫って言うんですよね。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/12/01(Mon) 23:06>

確かに、日本の「恋愛小説」は、「幼馴染」の発展系ですね。
ヘルン先生の話を聞くまで気づきませんでした。
それは、「男女七つにして席を同じうせず」っていう考え方が入ってきたからというのも、あるんでしょうね。

しかし、「源氏」で、それを説明されると、何も言えませんね(^^ゞ
確かに、「子供の頃の淡い憧れや初恋」をひきずりまくってる男が主人公ですからね〜〜〜。

そういえば、ヘルン先生、源氏は多分読んでおられると思うのですが、この物語にはどんな感想を持たれたんでしょうね。
源氏を「理解」しつつも、「奥さんを泣かせた」ことについては、あまりいい感情をもたないかもしれませんね。

で、「妹と兄の物語」ですが、記憶がはっきりしないのですが、子供の頃に読んだ「世界童話宝玉撰」という童話集の中に、「ポリネシアの民話」として、やはり、天から兄と妹が降りてくる話があったんです。

記憶が曖昧なので間違ってたら申し訳ないんですが(んで、ここんとこ、長文になりがちで、これまた申し訳ないんですが(^^ゞ)、確か、雲の上に大家族が住んでて、真ん中くらいの男の子が、お兄さんの大事なお酒をこぼしちゃうんです。
で、「酒を返せ」と怒られて、慌てて雲を集めるけど、酒は散逸しちゃってる。

泣きながら雲を掻いていると、その下に地が見えるんです。で、その男の子と妹がそこに降りて、最初の夫婦になった。
そんな話だったと記憶してます。

なくしたものを「無理にでも返せ」と言われるのは、山幸彦・海幸彦にも似てますよね(~_~)

で、日本版シンデレラですが、結構いろんなパターンで語られてます。
他にも「米なんとか・粟なんとか」とか、
「絹なんとか・綿なんとか」とか。
おっしゃるとおり、「陰陽」になってるのかも。

だからこそ、この姉妹は、対比的に描かれながらも、「不仲」とはされてないのかもしれませんね。
面白いです(#^.^#)



<こたつ城主 [関東] 2003/12/02(Tue) 17:41>

>のりちゃん様

そうそう。八雲の視点って、「言われてみれば」ってのが多いですよね。
彼が強調するのは、日本人は幼い頃の記憶をよく覚えているという事で、西洋人は年を取るまで子供時代なんか振り返らないものなんだとか。。
つまり母を慕って義母に淡い恋心を抱き……なんてのは幼少期の戯言にすぎず、それが父への謀反に繋がりかねない不倫に発展する源氏みたいのは、西洋にないのかなぁ、と。

と考えると、だから西洋には心理学が必要なのか(日本には必要ないかも)、とも思えて来ます。
幼少期との決別が出来る西洋人、引き摺るけど味わいある日本情緒。
そういや、ドラマ「日本の面影」では、義父の金十郎が「日本人になったけん、万事日本風にせにゃならんなどと言うことは、まっこと不和の元」と西洋風の乾杯の音頭を取りますよね(笑)。

ポリネシア辺りではどうだろう。とちょうど思ってたら、やはり兄と妹の結婚はアリですか。長いのは構いませんよ(笑)。
で、海彦山彦ですけど、海が出て来るだけで、どことな〜くポリネシア系の雰囲気を感じますよね(^^)。

でも、返せと言われたものを取りに行くのではなく、ついでに地上を知ったという点が、何か用があって旅に出た(から遠くまで来た)話と、あくまでも「ちょっと出」の違いなんでしょうかね。
何しろシベリアから来た一番古いご先祖の後、ポリネシア方面からもご先祖が続々来られたそうですからねぇ。

西洋で正邪を区別するのは、魔女狩り以降なのかもしれませんね。。
どっちもヨシにしてしまうと、教会あたりからクレームが来たとか(笑)。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/12/02(Tue) 19:58>

源氏ですが、考えてみたら、これって、「オイディプスコンプレックス」の典型ですね(゜.゜)

一応、オイデプスコンプレックスを説明すると、ソポクレスの「オイディプス王」が基盤になってます。

オイディプスは、生まれた時(だっけか)、父を殺し母を妻にするという予言をされるので、父親はオイディプスを捨ててしまうんです。
ところが、運命のいたずらとは恐ろしい。
捨てられたオイディプスはすくすくと成長し、その頃おそれられていたスフィンクスの謎を解き、そして、たまたま行きがかった父王と衝突し、殺してしまい、そのまま王の座につき、自動的に母親を妻にすることになります。

つまり、「男の子は、母を慕い、ライバルとして父を憎む」っていう傾向を「オイディプスコンプレックス」って言うんですね・・・厳密に言えば違うかもしれませんが、ご勘弁(^^ゞ

てなことを考えたら、西洋にも源氏っぽい物語はあってもおかしくなさそうですよね?でも、あんまりマザコンの話って聞かないなぁ。なんででしょ?

山幸・海幸とポリネシアのつながりは、山幸彦が海の宮殿へ行く時に乗った、「目無しの籠船」が、ポリネシアに実際にある船と似ているなんてことからも言われます。

つまり、籠を編んで、それに油紙を貼り付けたような船らしいんですけどね。

私は、自分は、ポリネシア系の先祖返りしてる、と勝手に思ってますので(そのくせ、水泳は苦手なんだけど)、ポリネシアを応援してます(笑)



<北畠具顕さま [関東] 2003/12/02(Tue) 22:08>

>「オイディプスコンプレックス」
戦国時代だと誰になるんでしょうかねぇ?
 
     

     
  <こたつ城主 [関東] 2003/12/03(Wed) 19:15>

>のりちゃん様

オイディプスについては、お話より先に「オイディプスコンプレックス」を知ってしまいました(笑)。
しかし父を殺す前に、例のスフィンクスとの対決をするんですね〜。こういう前後関係を知るには、ちゃんとお話から聞かないとねっ。
するとその王国では、王様にとってかわった人は、その妃を娶る習慣でもあったのかしら。それともオイディプス自身がコンプレックスだった?

もしかしたら西洋社会では、オイディプスがあまりにも有名で(反面教師として)、それがゆえに、母を慕い父を憎む感情を、殊更に否定してるのかもしれませんね……。
しかし兄と妹ってのは、どことなく特別に美化されてる感じもするような。。

中国あたりでは、近親相姦は野蛮ってな感覚があったと思います。日本でも同母の兄妹はアカンちゅう事で、王位継承にまで響いた(コジツケかもしれんが)例がありますね。

と考えてみると、西洋では男性が年上、女性が年下という組み合わせをヨシと考えるのかも? 騎士道ってだいたい「男が女の面倒を見る」って感じしません?

山幸彦が乗った船なんて……知りませんでした〜〜(*o*)! ポリネシア風の籠を編んだ舟ですかっ。
山幸彦は海幸彦に年貢でも納める関係だったのか(道具を借りて産業するのはよくある構図なので)、白雪姫にせよ(日本では落窪物語なんちゅうのもありますが)、復讐劇の凄さをあまり言われませんけど、海幸彦の子孫が阿波踊りみたいなお辞儀をするようになった、という結末は、かなり印象的です(笑)。



<こたつ城主 [関東] 2003/12/03(Wed) 19:18>

>北畠具顕さま

戦国時代のオイディプスですか〜。
う〜ん。パッと思い付くのは信玄でしょうかねぇ、やはり(笑)。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/12/03(Wed) 19:53>

オイディプス王ですが、多分、次の王になる人間は、前の王の妃を妻にせねばならなかったんじゃないかと思います。

確か、「サロメ」も、ヘロデ王が、前の王の妻・ヘロデヤを娶ってたんじゃなかったでしたっけ。
ちょっと本の山を探してみないといけないので、今すぐわかりませんが。
確か、サロメもオイディプスも舞台はギリシャですよね(^^ゞ?

オイディプスは、前王の妃が自分の母親だなんて知らなかったわけで。
「好きな女性と結婚していいよ」といわれたら、王妃がいくら美女でも、母親くらいの年齢の女性・・・ってぇか、母親そのものの年齢の女性を、選ばないような気が・・・。
そうでもないのかなぁ(~_~)

ところで、日本で、兄と妹の結婚に関して、王位継承に響いたってのは、誰ですか?

日本では、同母兄妹はダメで、同父兄妹はよいっていう時代があったと聞いたような気はするのですが、今までイマイチ興味がなかったので、あまり覚えてないんです(^^ゞ

で、船とポリネシアですが・・・。
これは、もしかしたらトンデモ説なのかもしれませんが、記紀に登場する船は、実は、ポリネシアで実際当時利用されていた船のことじゃないか、なんて話があります。

例えば、「枯野(かれの)」という船が出てきます。
とても大きな木一本を使って作った船なんですが・・・。
これ、実は、「カヌー」のことじゃないか?なんて話が・・・。
本当かどうかは知りませんが、とりあえず、そんなことになってるそうです(笑)



<こたつ城主 [関東] 2003/12/04(Thu) 21:18>

>のりちゃん様

ギリシャ神話というのは、ギリシャをはじめ、その周辺の話も入ってたんじゃなかったかな?
オイディプスは実の母とは知らずに……でしたか。うん、確かそれはそう聞いたような。。
私が子供の頃に読んだギリシャ神話には、オイディプスもサロメも載ってなかったです(^^ゞ。長い話だからか、王妃との再婚というありようが、いかにも女性を戦利品に数えるようで、子供に向かないとの配慮だったのか。しかしサロメもそうなんですね。。

しかし王妃を妻にというのは、実権掌握の上で必要だったのかもしれませんね。
戦や暗殺で王位につく王は、いつ引っくり返されるか判りませんからね。日本でも最初の頃は、皇后の権威ってのはかなりもんだった覚えが……。

日本で、同母兄妹で引っくり返ったのは、木梨軽皇子ではなかったかしら。
異母兄妹(姉弟)であればOKですよね。系図の信憑性についてはおいといて、異母兄妹同志なら、バカスカ結婚してます。

私「枯野(かれの)」という名は初めて聞きました(゚.゚)。
一本木で作った船と言えば、相当原始的にも思えますけど、同時に大木という想像も出来ますよね。
インドネシア辺りからきた人々は、黒潮に乗って、薩摩・土佐・熊野と流れ着いたとか聞いてます。物凄い遠距離ですよね〜。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/12/04(Thu) 22:05>

で、サロメの原典は、「聖書」です。
で、新約聖書って、ギリシャ語で書かれてるから、ギリシャが舞台かな〜〜〜っと思ったわけで、ギリシャってのは大勘違いかもしれないです。

ただ、新しい王が前王の王妃を娶るってのは、ハムレットもそうですね。
前王妃を娶るというのは、おっしゃるとおり、何か重大な意味があるのかもしれないですね。

んでもって・・・・。
木梨軽皇子でしたか>同母妹
すっかり失念してました(^^ゞ

ただ、この人物の場合、妹と云々ていうのもありますが、恋愛にふけってしまって、政治をきちんとしなかったから人心が離れてしまった、とされてます。
もし、軽皇子が、妹と愛し合いながらも、きちんと政治を行ってたらどうなってたでしょうね。
軽皇子あたりから、王位継承関係は乱れに乱れますから、きちんと政治を行っていても、いつかは地位を剥奪されたかもしれないですけどね〜〜〜。



<こたつ城主 [関東] 2003/12/05(Fri) 18:30>

>のりちゃん様

サロメは聖書でしたか。私もこの辺よく混ざります(^^;)。
日本では、前王妃が再婚しないのを、再婚相手が実権を握ることを未然に防ぐため、と里中さんは書いてましたが、そうなのかもしれません。
同母兄妹はダメ、というのは、「近親相姦は野蛮な民族のする事」という中国の感覚に影響されてでしょうね。
そのくせ「異母兄妹は可」なのは、何らか古い風習の名残が消せなかったからか、一族の血筋を増やす上での一時的な手段か……。



<のりちゃんさま [近畿] 2003/12/05(Fri) 19:24>

>異母兄妹と、タブー
そういえば、サロメでは、兄がなくなって、兄の嫁と結婚した場合も、「近親相姦」と呼ばれる、とあったことを思い出しました。
これなんかは、ユダヤ教的なタブー感覚なのか、それとも、兄弟の地位争いを避けるためなのか、どっちでしょうね?
 
     



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