質問<六>
酒の席の冗談は、冗談で済みました。しかしこんな我侭な主君の元では、体が幾つあっても足りません。ところがあなたには、頼りになる兄弟がなく、大事な跡取は取られたままだし、親族や家臣たちも今いち頼り甲斐がありません。
そんなある日、自分を助けてくれる有能な人材を知ります。ただその者を召抱えるには、あなた自らが外に出かけ、会いに行かねばなりません。諸葛孔明の例もある……と、自分の面子にはこだわらないあなたですが、悩みの種は、どうもその人物は、一度下剋上に乗って名を馳せた策士らしいのです。
あなたの考えは……?
国を留守にしたあげく、怪しい他国者を近づけて、気難しい主君の疑惑でも買ったら一大事である。そのうえ下剋上と来ては自分の身も危い。
やや躊躇がある。
人の噂はアテにはならない。とにかく主君には何とか届け出をし、留守をしてでもその人物に会いにいき、自分を助けてくれるように頼んでみる。
要は有能かどうかである。
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