<黒田如水>
さん
より、一言
     



     
  周りの輝かしい昇進に一人取り残される。暗闇に居て明るい方を見ると、何もかもがよく見える。しかし、危険な状況に居るより、隠れ蓑となる闇の中にいるほうがよい。

何らかの形で傷を負う。小さな傷を避けると大きな損害が出る。計画が失敗したり、人に裏切られたり、健康が損なわれたり……。危険のともないそうなことは延期か中止する方が良い。

過度の人気は災いのもと。世間は他人の才能に過敏である。称賛しながらも羨望し、往々にして嫉妬する。周りはけむたがったり疎んだり、上に立つ者すら妬む。

能ある鷹は爪を隠すように、他人の言葉に耳を傾ける素直さを備えている。自分の才気や知恵をできるだけくらまし、いかにも掴みどころのない態度で接することである。いまは勝ち目がない。口論は避け人と競争せずに、一人静かに追求できる目的を持ち、地味でも志を失わずに自分の道を進むが良い。本心を軽々しく口にしない方が賢明である。
 
     




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