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子供のころ純粋であった人も、成長するにしたがって迷路に入りこむ。青春などと美々しく言うが、若いころというものは、実は打算と邪念の固まりである。
子供や年寄は、愛の価値をよく知っている。空虚で乾ききっているからよくしみこむのであって、邪念や先入観があれば、人を受けいれることはできない。計画を立ててそれに従うだけでは不充分である。計画や一つの考えにかたまってしまうと何も見えなくなる。
若者が唯一、純粋無私になれるのが恋愛である。愛に触れたとき、愛を求めるとき、雲間に光が指すように自分にも人にも正直になれる。裏切られることを怖れず、一つ所にじっとして他を見ない姿は相手の心を動かすに足る。それが人間社会の基本である。
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