<石和川中島合戦戦国絵巻・レポート6>


     
  <武田・三献の儀>

いよいよ両陣営ともに出陣です。まずは武田(右)側。出陣前の儀式。


兵士達(左)は待機。各隊の武将のみ進み出て、その中央に信玄さまを迎える形になります。赤い袴の進行係の方が「もうちょっと前、はい、そこで止まって」とか指示されてますね(^^)。

信玄さま(左端)に諏訪法性兜をお持ちする兵士(右端)
兜を着用完了

ちょうど私の座ってた位置からだと、カメラさん(白い着物に茶の袴)の影に隠れてしまい、「今年は写せないな〜(^_^;)」と思ってたら、タイミング良く、ほんの一足分だけどいてくれて、上手く撮れましたっ(笑)。

そして厳かに「三献の儀」。勝栗、鮑、昆布とともに三宝に捧げられたお酒を干します。

目の前のカメラで→
テレビ画面でも大きく映し出されます

このテレビ画面、一昨年からでしたっけ(^^ゞ、戦場の中央奥に大きく出るようになりました。
カメラで撮ると配色が悪いですが、実際にはもっとクリアに見えます。

ただ、せっかくのサービスなんですが、実際にはあまり見ないですね(^^ゞ。
実は、観戦となるとこのテレビが大きく役立つ(よく見る)と思ってたんですが、そうでも無かったです。

その理由は、これは全体を通して強く感じた事なんですが、思ってたより何倍も「あっと言う間に祭りが終わる」という感想を持ちました。
戦場に出ていた時より三倍は短く感じます(^_^;)。ホントあれよの間にドンドン進行して、「うっ、あれも終わった、これも終わった」と、次の展開になるたびに歯軋りする程です。
もちろん全然悪い事じゃないですよね。それだけ場に魅了されてるのは確かです。



<上杉・武蹄式(五沾水の儀)>

次は上杉(左)側。
こちらの陣営には観光客が多いせいか、これが始まると何かケバ立つとでも言いますか(笑)、こう……ワラワラと黒い人だかりから、何とも言えない熱気めいた空気が伝わって来ますね(^^ゞ。
あの中にいた時には、あまり感じていなかったのですが……。


こちらも、各隊の大将さんが集まり、グルリと謙信さまを囲んで儀式を行います。
これまでで記憶する限り、お水を頂戴して飲むだけだったと思います。もちろん私のいる位置からは何をしてるかまでは全く判りません(^^ゞ。


それにしても、これまで「キビキビと迅速に動かないと、見た目悪いんだろうな〜」と思いつつ、この時間帯は、特に上杉の兵士にとって一番眠い(笑:演技は何も見えないし、三献の儀より後だから一層)ので、どうしても「ダラダラとした動き」になりがちなんですが、意外とそれが良い効果だという事をお伝えしておきましょう(後でまた述べます:笑)。


と、こうして滞りなく諸儀式を終え、いよいよ戦場は合戦を迎えます!!
 
     

「高坂隊、妻女山へ〜合戦@車懸り」

     
  <高坂隊、妻女山へ向かう>

観戦してみて超ビックリしたのは、この高坂隊です!
とんでもなく扱いが大きいです! いや、ここでの高坂隊はもはや主役と言っていいかもっ(笑)。

見学した事のある方からは「何を今さら」と言われるかもしれませんが、私達、これまで上杉兵士をやってた者は、はい、知りませんでした(爆)。

もちろん合戦の流れとしては知ってましたし(^_^;)、最初そういう部隊があると聞いた時「へ〜、ただのチャンバラごっこと思ってたけど、わりとちゃんとやるんだ?」ぐらいは思いましたが、それほどきちんとした話だとは思ってませんでした。。

知らなくて良かったんですよね(^_^A)。だって高坂部隊が仕掛けて来るなんて悟ったのは謙信さまだけであって、我々兵士は気楽に従ってればいいんだから(笑)。

ハッ(・・;)、でもそう言やウチらって、前にアレをやったんだっけ?(滝汗)
(2003レポ参照(-_-;))

何しろ観客になって初めて、全体のストーリーやら構成、シナリオの類が全編通して把握できる舞台ですから、ここで読み上げられる高坂隊が、いかに重要な役回りかを知ったのは、哀れ亡霊となった今ごろでした。。

武田軍の赤い渦から、一列のみ別れて来る様子が美しい高坂隊

今にして冷や汗を掻き、半ば顔まで赤らめながら、↑この一団が先んじて戦場を去り、仮橋を渡って妻女山(観客席)まで突っ走って来るのを、ひたすら「タラ〜〜(^^;)」と見詰め続ける私達でした(汗)。

戦場を離脱した高坂隊は、橋を渡ると→
観客の渦の中に↓影を潜めます

何しろこの高坂隊の抜けた分だけ兵力に損失のできた武田軍が、この先苦境に強いられる様子は、かなりの緊張感をともなって観客に伝わって来ました。

武田はピンチに立たされていたのです!(そ、そうだったんだ:汗)
 
     

     
  <上杉軍、車懸の陣形を整える>

向かって右側、苦境に立たされた武田軍、鶴翼の構え

一方の左側上杉軍、車懸の陣形をもって突入の態勢に入る

上杉に馴染みの深い私達としては、この時間帯は「ただ走るだけ(^^ゞ」と思ってて(笑)、実際リハーサルでも「武田軍の真ん中をダッシュしてすぐ戻って来てネ」としか言われませんし、恐らく武田に至っては「立ってて」とか「上杉が来たら、間の道空けてやって」としか言われてないハズ(笑)。

だから兵士としては「戦はまだまだ先」って感じなんですが、既にストーリー上はバリバリ戦闘状態ですし、お客はすっかりその気でいます。

ほらこの通り、食い入るように見てますし(爆)

後ろに屋台などあって、もっとホンワカお祭り気分で見てる(つまりあまり見てない)物だと思ってたのですが、意外とかなり熱心に見てました(^^ゞ。
だいたいの人が腕を組んだり、腰に手を当てたり、望遠鏡を持ってたり、カメラ位置を取ろうと移動したり、いずれも「じっくり見入ってる」様子に思えました。

かく言う私も、他の観客の様子など構ってられませんでしたから(^^ゞ、そうじっくり観察したわけじゃないのですが、途中で他の客に手が当たったり、うっかり持ち物を落としても、みんな観戦に気を取られて、謝っても気付かない(きっと手や物がぶつかった事も:笑)という感じ。

あと見ていて驚いたのは、兵士の動きです。

兵士だった時、この車懸の頃まで座ってて、ここではじめて運動開始するので、足が痺れていたり眠気に襲われたりで、つい立ち上がりや行動がノロノロとし、「もっとキビキビしなきゃ見た目悪いんだろうな〜」と気にしてたのですが、この心配は全く不要です。

特に上杉については、先頭から末尾の兵士までの「集合」の動きが大きな広がりを見せ、すこぶる威圧的で数の多さを実感させます。
まさに「山が動く」という感じ。
ここで全員が揃った迅速な行動だと、返ってせっかくの数の多さが生かせないとすら思いました。

一方、あくびをしたり足腰の砂を払ったり、面倒臭そうな動きを取ったからといって、殆どの兵士は「点」で見えません(笑)。安心してリラックスしてれば良いのだと判りました(^^ゞ。
 
     

     
  <上杉軍、突撃開始>

いよいよ合戦が始まります。以下、中央の「テレビ画面の位置」に注目。

突っ込めぇぇ〜〜! おおおおおおーーーーー!!!          テレビ画面

ドドドドーーー! 中央(↓テレビ画面)を走り抜け……

テレビ画面                武田軍に到達! 上杉の猛攻っ!(に見える)