<2001年・城主のたわごと8月>




よく見る夢ってありませんか?

夢なんて、何の役に立つのかと思ってましたが……。




     
  象徴夢みたいのがある。

一定の精神状態、特定の体調の時などに必ず見てしまう夢である。

私の場合それは、学位単位を落としそうになる夢である(-_-;)。10年前ぐらいまでは、その夢の舞台は大学だった。

夢の中で大学に行く。「あれ? この授業、最近出てないな」と思う。授業を聞くと、全く内容が理解できない。最近出てないな……どころか、ずいぶん長い事、この授業には出てなかったと自覚する(汗)。長い事出てなかったどころではない。現実には、もう何十年も出ていないのだから、記憶に乏しいのは当たり前である(爆)。

この夢のパターンが何処か慢性化し、この前後に付帯状況がつくようになる。

朝、まだ家に居る。起きたばかりだったりする。実家の自室でベッドから時計を見上げて、「ギョギョ〜! こんな時間! 遅刻〜!」と焦る。

しかし、ちゃんと起きなかった事を知ると、母は怒る。だもんだから母親には「いやぁね、今朝は休講なのよ、でも友達と待ち合わせしてるから、ちょっと早めには行くわ」とかテキトーな嘘をつき、余裕をかまして見せねばならないから、余計大変なのである。

心の奥では焦っている。せめて最後に出席を取るその瞬間までには滑り込まねば、わざわざ出かける意味がない。一見余裕をかまして見せながら実は焦って、トーストとか紅茶とかドンドン腹に詰め込んでいく。

着替えたり歩いたり電車に乗ったり、そういう途中過程は一切省略され、いつの間にか大学の教場にいる。そして授業に出て、「あれ? 最近出てないな」と自覚する所から先は、さっきの通りである。

だいたい、何か締め切りに焦っている時にこういう夢を見る。焦らなければならないのに、まだ全然予定が追いついてない、などという時に見るのだと思う。引越を前に荷物が片付いてない時や、大病を患って仕事に大きな穴をあけた時など、よくこの手の夢を見たものだ。

これがここ最近になって、さすがに所々いい加減な設定になっている。もはや年を取って、心の何処かで「もう、単位を落とすなんて事はありえない」と、可愛げもなく開き直っているのだろう。

しかし何かに焦っている心理状態は夢を見るように作られているから、大学が高校になったり、受験間際になっても、まだ進学先が決まってなかったり、受験の当日にうっかり寝過ごした、などという具合に作り変えられながら、やはり何とかこういう夢を見られるようになっている。

そのくせ、大学やら高校やらに行った帰りに、残業しに会社に寄ったりもする(爆)。この時点で自分でも、「まあ、大学に行けなくても(あるいは単位を落としても)、食いっぱぐれるほどの事は無いな」とか思っているのだから、妙な具合に緊張感に欠ける。見ようによっては、ある意味「もう夢が無い」とも言えるが(汗)。

そして、起きた時は実家にいるのに、帰る先は主人のいる家なのである。当たり前だが、主人は授業をサボッたとか、単位を落としたなんて事で私を叱ったりする相手ではない。この辺りも、どこか微妙に緊張感に欠ける夢と言えなくもない。

ところで最近、私は又ぞろ、これらの夢を見た。授業を受けるのにテキストが見付からないで、出際に焦るのである。

そして、どんなテキストだったかすら思い出せない自分に驚く。「よほどサボッてたんだな」と思うのだが、やはりこれは夢であって、実際にそんな事があったら大変なのだが、夢の中の私は悠長にテキストを開き「一回も出てない!」と改めて焦るのである。

そうこうする内に、なぜか受験(なのか、模擬テストなのかわからないが)の時間が来てしまう。今度は受験票を探す。それが無いと試験を受けられない。これにそれなりの金がかかっている、という自覚がある。しかし見付からない。

「どこのテストだっけ」。まずもってこれすら知らないのである。受験ならば「何処の大学に行けばいいのかわからない」状態である。物凄く異常な状態であるにも関わらず、夢の中の私は、「今は落ち着いて思い出そう」なんて座り込んだりするのである。

目が覚めて、「なぜこんな夢を……」と、しばらく首を傾げた。しかしこういう夢は特に付帯状況が伴わなくても見る事があるから、あまり気にしてなかった。

しかし、そうする内にまた同じ夢を見た。起きて「何だろう、もしかしてPCが異常な動きをするので、何か焦っているのかな」なんて自己診察してみるが、実の所よくわからない。

しかし今日わかった。理由があったのである。それは……音楽コンサートであった。

これのチケットを買っておいた。買った時、「ずいぶん先の話だから、その時に忘れないようにしよう」と、ちょっと緊張した。

しかし忘れたのである(-_-;)。思い出してから、夢の中さながらに私は家じゅうチケットを探しまくった。探しながら、夢の光景をアリアリと思い出し、「それで夢を見たんだ」と悟ったわけである。

探したあげく、チケットが又無い。探しても探しても見付からないのである。 *ガビ〜ン*

大事な物だから……と、きっと何処かにしまってはあるのだろう。しかしいつまでも探していても仕方がない。

こういう時のためのネットではないか。私は関連サイトを探して日付を確認した。

「8/5(日)」。お知らせページにはそう書いてあった。カレンダーを見る。とっくに過ぎている(-_-;)。そう言えば、夢を見たのは確か7月の末ごろだった。

そうか、そうだったのか……。心理状態が見せる夢だとばかり思っていたが、あれは予知夢であったのだ。こいつぁ、知らなかったなぁ(笑)。

それにしても……夫婦二人分あわせても一万円もしない代物である。惜しいと言えば確かに惜しいが、チケットが無効になる程度のことを、受験や単位で失点するほどの恐怖心をともなって見せる夢。何ともせちがらい、貧乏臭い現実である(-_-;)。

2001年8月14日
 
     




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