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又しても、前回の続き。
主人は「明日の朝は、早起きをして外湯巡りってのを一度やってみよう」と言ってはいた。
こんなことを言ってて、旅行中に早起きできた試しはないからアテにせずにいたのだが、翌朝、主人は本当に起きた。まだ6時前である。そして「じゃ、行こうか♪」と言った。
私としては嬉しくて仕方ない(^^)。実は前日、到着するとすぐ、就寝前にもう一度、さらに早朝起きるや又……と三度も温泉に入っておいた。しかし外湯巡りはまた格別だろう(^^)。
真田幸村の隠し湯「石湯」にまず向かった。主人は調子づいて「これに入ったら、次は”大師の湯”とか”葵の湯”(木曽義仲が入ったと言われている)ってのも入りたいね。あと帰りに安楽寺にも寄って行こうか」と言った。
私は又しても嬉しくて仕方がない(^^)。……が、「そ……そんな事ばっかりやってる時間が、あるだろうか(^_^;)」とも、少し思った。
下駄を、カラ〜ンコロ〜ン鳴らしながら別所の町を歩いている内、まずは「石湯」に到着♪
とにかくさっさと脱いでさっさと浸かってさっさと出る。主人はまだ入っていると見えて、私は外で待たされながら、蝉の声など聞いている。
いい気分だなぁ……。こんな所は東京には無い。蝉しぐれに涼やかな朝の……(^^)。
「今日も暑いですねぇ」地元の人が来て、番頭さんに声をかけるのが聞こえて来る。
うん、実はちょっと暑い(^_^;)。大丈夫だろうか、朝からこんなに飛ばして……。そう思い始めた時、主人が出て来て、
「お待たせ。じゃ、次行こうか」
う……うん(^_^;)。行こうか。カランコロン。そして着いた安楽寺。杉木立の鬱蒼と茂る門前の長い石段。
ここは前にも来た事があるから、まあ、いいんだけど、庭とかゆっくり見てる間もなく、とにかく境内の裏手にある五重塔までの長い坂道を登る。
見た(^_^;)。下りる(^_^;;;)。寺を出る(^_^;;;;;)。
主人は「大変だったら、俺だけ外湯の続きやってるから、もう宿に帰っていてもいいよ」と言うのだけど、私はもう判断力が無くなっていた。
「ううん、私も”葵の湯”に入る」
そして到着。さっさと脱いでさっさと浸かってさっさと出る。そして宿に戻って朝食。さっさと飯を盛って、さっさと茶を入れて、さっさと食べる。
部屋はまだ散らかったままである。あれを全部片付けて、今日は上田で荷物をどっかに預けなくてはならないから、今の内に荷物を二つに分けておく必要がある。急がねば……。だんだん、喋る暇が無くなる。とにかく食う。
そして、気持ちが悪くなった(-_-;)。部屋に戻るや、私は座布団を二つ並べて、ドカッと横になった。
二日も徹夜をし、冷房もない一夜を過ごして朝から風呂に入りまくったあげく、滅多に食った事もない朝飯を平らげたのだ。体はさぞかしストレスを感じたことだろう。私はそれから、たぶん30〜40分は休んでいたんじゃないかと思う。
かくして、いろんな事を無理して「さっさと」やったわりには、出発は遅れに遅れたのであった(-_-;)。
<つづく>
2000年8月31日
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