<長篠合戦・議事録4>


     
  <具合 悪佐守さま [関東] 2000/04/25(Tue) 22:10>

題:文学の御話

天陽殿、

某、東海乾坤記、全部読んだぞよ。
面白かったぞよ。 まだ、続くのかえ。楽しみな事じゃ。
さすがは小説家殿、文章が上手いわい。戦闘シーンなど臨場感が高く感心致した。されど、前半、あれだけ、決戦に拘って長篠城を落とすなと言っておきながら、織田軍が着陣してから、長篠城を攻略を焦る当り、もう少し、心理の流れを加えるべきでは御座らぬか。それと欲を言うなら、もう少し、諸将の人間性を章を追って深く印象付けた方が、読者に訴えかけるのでは御座らぬか?的を何人かに絞り、後は個々の章で触れるくらいにして、メリハリを着けた方が登場人物が活きる気が致すが…。

某は、文学と歴史は全く別物で良いと思っているので(文章は心に訴え感動を呼び起こすが目的、歴史は真実を解明するのが目的)、内容は、問い申さず。ただ、武田軍の描写、旧日本軍の戦法を見る様で、哀しかったがの。某の父は膝に銃剣でつかれた痕が有っての、勿論、米兵は切り殺したから、父が生き残り、某が居るのじゃが、軽軽に、人を死なすのを面白ろ可笑しで書くのは、小説家の個人の有り方として、お考えあるべし。

それと、これは単純な疑問、相手が動かないと分かれば、こちらが移動して側面をつけば良いのでは?某、ゲームならそうするが(笑)。

某、態度がでかいが、年長の故、お許し下され。応援致すゆえ…。

城主殿、

手配りに限界がある…。まことに仰せの通りに御座る。突破されれば、後ろの丘から降りて行って追い返せば良いのでは…。なにせ、兵は多いので御座る。丘の上にでも置いておかねば仕方御座るまい。

それと、某にはやはり、織田軍の目的は包囲攻撃であり(山間部ゆえ、要所を抑えれば包囲できる)、築陣は、まさに甲斐の虎殿の心境に勝頼を持っていく為ではなからんか?だから、長々と下手っぴいな築陣戦術と、足軽ばかりの鉄砲隊を置いたのでは…。鉄砲は補助兵器であり、決戦は武士同士のぶつかり合いで御座る。某は、鉄砲で死んだ者は少なかったのではと思うし、築陣の目的は、武田軍を拘束し包囲網から脱出する時間を奪う事にあったと愚考致す。一方、武田軍にしても、大した物ではないから突破に拘ったのでは?そうでなければ、狂人でもない限り自殺は致さぬ。迂回するなり、後退するなり、策はいくらでも立てられ申す。

話を分からなくしたのは、小瀬甫庵等の小説家の文筆力が優っていたからでは御座らぬか?小説は小説、歴史は歴史に御座る。と、某は愚考致す。

それでは御免仕る。



<甲斐の虎さま [地球外] 2000/04/26(Wed) 00:15>

題名:まだ第二回ではなく。

>具合 悪佐守殿

 拙者が勝頼と同じ心境とは拙者もびっくりですな(笑)。拙者、『少数の兵で守れる』との御貴殿の城型防衛構想に対して反論したのみにて、自軍を三倍する敵がいればもちろん警戒いたしますぞ(笑)

>城主殿

本格的に長篠を洗いなおすにはやはり資料不足だの。太向義明氏の『長篠の合戦』(山梨日日新聞社刊)がほしいのう。太向氏は『文献資料を徹底的に読みなおす』ことで長篠の検証をしたらしいが、なにしろ図書館にすら無い。注文してもあるかどうか……

そのに。
拙者、信長が鉄砲を主武器にしたとは考えていない。ついでにいうと武田軍が突撃した、というのも嘘ではないかとすら思っておる。ま、理由は追い追い明かしていきましょう。

そのさん。
一つ、書状を紹介しようと思う。細川藤孝あての5月26日の書状じゃ。

「…即時に切り崩し、数万人討ち果し候、四郎の首は未だ見ず候、大要は切り捨て、河へ漂ひ候武者若干の条、其の内に之れ有るべき歟…」

信長は藤孝に鉄砲隊を借りた礼のほかにこのようなことを書いているのじゃ。よく見ると、「大要は切り捨て」とある。鉄砲を借りた礼なのに鉄砲で討ち取ったのではなく、「切り捨てた」というのじゃ。どう思いますかな?



<天陽さま [四国] 2000/04/26(Wed) 01:41>

題名:文学の話、私の欠点

>悪佐さん

ある編集者の話。
「男性は人を書くのが苦手、女性は上手い」
たぶん、その通りだと思う。私は人間を書くのが苦手なんです。心理を書くのも然り。しかし、場数を踏めば、なんとかなることが判明しました。
「東海乾坤記」の前半部分、連載物の宿命ですね。
書いてる途中で、作者の気が変わる。
むしろ、あの短編はここで連載される前にも、連載されていたといういわく付きでして・・・まあ、いろいろあったため、変更がきかなかったわけです。

> 軽軽に、人を死なすのを面白ろ可笑しで書くのは、小説家の個人の有り方として、お考えあるべし。

わかっています。
真実を何も知らない私が、歴史に名を刻んだ彼らをあやつり人形のごとく扱っているという不敬は、常々感じておりました。
私の結論として、人を死なす時せめて読む人の印象に残してやることが、偉大な英霊たちへの懺悔かなと思っています。それを、おもしろ可笑しくと捉えるのは、人それぞれだと思いますが。
悪佐さんに他意はありませんが、所詮は「最大多数の最大幸福」という理念でしか書けませんので。



<具合 悪佐守さま [関東] 2000/04/26(Wed) 13:13>

天陽殿、

委細承知仕った。
御貴殿には才能が有ると存ずるし、お詳しいではないか。
某、荒木殿の事はほとんど知識は御座らぬ。
ちなみに三国志も詳しからず。万能な人など居らぬもの。
そう思って勝手に納得致しており申す(^^;
場数を踏めばとの仰せ、尤も至極と存知申す。
堅実に積み重ねるにしくは無しじゃ。

面白おかしは少しく言葉が悪かったようじゃ。
お許し下され。

それでは御免仕る。
 
     

     
  <久住さま [関東] 2000/04/26(Wed) 13:42 25/100>

>鉄砲を主武器にしたとは考えていない

先に言われてしまいました。まったく同感です。
ただ、当時、「鉄砲による大勝利」と宣伝したのは、
他ならぬ信長だったと考えます。(上杉謙信にも誇らしげに
手紙を出しているようで)近江,堺を押さえた以上、
大量の鉄砲を使用できるのは自分だけですから、
日本全国に「天下を取るのは織田信長」と思わせることで、
地方の小領主たちの動揺を誘ったのは、後の経過にみる通り
だと思います。(統制の取れていた北条の関東でさえ、
武田の滅亡時にはかなり動揺したみたいです)



<こたつ城主 [関東] 2000/04/26(Wed) 14:28>

>具合 悪佐守さま

>某、東海乾坤記、全部読んだぞよ。面白かったぞよ。
>まだ、続くのかえ。楽しみな事じゃ。

残り3話です。いよいよクライマックスなんで、まだまだお楽しみに〜(^^)。

>さすがは小説家殿、文章が上手いわい。戦闘シーンなど
>臨場感が高く感心致した。

本当ですよね〜。攻撃は最大の防御。制約ある状況をどう活かすか。同じ人数をどう使うか……。サッカーの試合を思い出しますね。監督の腕のふるい所(^^)。

登場人物の考えが、どういう理由で変化していくのか……。これを描き、しかも、わからせるのって、結構ムズカシイんですよね(^_^;)。自分では書いてるつもりでも、読者に伝わってない事が多くて……。また逆に、くどくど書きすぎて、ウンザリされちゃったり……。読者がどの辺りから付いて来なくなるのか、これは私も小説を書くので、本当に課題です。

>的を何人かに絞り、後は個々の章で触れるくらいにして、
>メリハリを着けた方が登場人物が活きる気が致すが…。

例えば、東海乾坤記の場合、誰に焦点を絞れば良かったと思いますか? 私は、どうせ出すなら、冒頭から真田昌幸を出しておいた方が良かったんじゃないか、と思っているのですが……。

>軽軽に、人を死なすのを面白ろ可笑しで書くのは、
>小説家の個人の有り方として、お考えあるべし。

面白ろ可笑しく書いているとは思いませんが(^_^;)、戦争も小説も、人の生命を扱う以上、簡単に考えてはならぬと思います。特に作り物の世界は、簡単に殺傷を行える錯覚をしがちの部分は否めませんね。(作者も読者も)

>突破されれば、後ろの丘から降りて行って追い返せば
>良いのでは…。なにせ、兵は多いので御座る。

う〜ん、私の知る限り、単純に総勢で、織田が35,000(一方、武田が15,000)。その中で、一部隊ごと40〜50人編成というのは、手堅くはあるが、逆に大部隊編成。やりくりが大変そう。

城などの建物に頼らぬ分、各隊の司揮官能力だけに頼りがちで、つまり隊ごとに白黒ハッキリ出やすく、突き崩されれば、隣の隊が補わねばならぬ……という、野戦においては、ちょっとマズイ型にハマッてしまいます。そうなると、むしろ柵が邪魔で、織田方は自ら、せっかく作った柵を自分で蹴倒して助け合わなければならず、これでは兵士に、「まったく、こんなモン作らせるから……ブーブーブー」というストレスが、主への不信感に繋がりやすく、戦ムードがバッドになるでやんす〜(^_^;)。

もっとも、前回仰せのごとく、こんなシチ面倒臭いやり方しなくても、織田方、圧倒的に有利な状況で、普通に戦っても勝てるんじゃないかなぁ、と思うんですがね(^_^;)。



<こたつ城主 [関東] 2000/04/26(Wed) 14:29>

>甲斐の虎さま

>太向義明氏の『長篠の合戦』(山梨日日新聞社刊)
>なにしろ図書館にすら無い。注文してもあるかどうか……

国会図書館でもダメ? あ、「地球外」にお住まいでしたっけ(^_^;)。

>拙者、信長が鉄砲を主武器にしたとは考えていない。
>ついでにいうと武田軍が突撃した、というのも嘘ではないか
>とすら思っておる。ま、理由は追い追い明かしていきましょう。

ふむふむ(^^)。面白くなってきた。私も、武田軍突撃、ちょっと「嘘っぽ〜い」と思ってきたです。楽しみに待ってま〜す♪

>「大要は切り捨て」とある。鉄砲を借りた礼なのに鉄砲で
>討ち取ったのではなく、「切り捨てた」というのじゃ。

これは、「四郎の首は未だ見ず候」である以上、追撃戦においての働き、と受け取れるのでは? ただ、気になるとしたら、「仕留めた」ではなく「切り捨てた」という表現かな? 手柄を得るために積極的に討ったというより、「斬り防いだ」という具合にも受け取れますからね。しかし、「河」っつーのは、どこの河だ(^_^;)?



<こたつ城主 [関東] 2000/04/26(Wed) 14:32>

>天陽さま

>「男性は人を書くのが苦手、女性は上手い」
>しかし、場数を踏めば、なんとかなることが判明しました。

言われてみれば、私、女ですが(^_^;)、逆に、状況説明とか下手です。男性はこれが上手ですよね。やっぱ男性は、外側から攻めるのが得意で、女性は内側から埋める事を、それぞれ先に覚えがちなんでしょうかね。

東海乾坤記については、テーマは貫かれてますが、人物設定に途中から変更がある点は否めませんね。ま、その点は、ネット小説は、いつでも変更可能、という良さがあると私は気軽に受け止めてます(^_^;)。

>人を死なす時せめて読む人の印象に残してやることが、
>偉大な英霊たちへの懺悔かなと思っています。

死なす時に限らず、印象に残りにくい人々を、より色鮮やかに人の心に残せる事が、歴史小説の面白さだと思います。そのために、これからも、どんどん史上人物を発掘し続けて下さいませ(^^)。


<こたつ城主 [関東] 2000/04/26(Wed) 14:45>

題名:キャアァァ〜、レスが追い付いてな〜い(^_^;)。

皆様、ご来場、まことにありがとうございます。トロトロ、電話とかしながら書いてたら、二件追い付かれてしまったですぅぅ。すいませ〜ん。

>具合 悪佐守さま

>面白おかしは少しく言葉が悪かったようじゃ。
>お許し下され。

ああああ〜、すいませ〜ん。そうとは知らず、私も余計なレスを付けてしまったようです(^_^;)。どうか平にご容赦、お許しを〜。

>久住さま

>当時、「鉄砲による大勝利」と宣伝したのは、
>他ならぬ信長だったと考えます。(上杉謙信にも誇らしげに
>手紙を出しているようで)

ええっ! そうなの? 信長ちゃ〜ん(^_^;)!

>近江,堺を押さえた以上、大量の鉄砲を使用できるのは
>自分だけですから、日本全国に「天下を取るのは織田信長」
>と思わせることで、地方の小領主たちの動揺を誘った

なるほど(^_^;)。ワタシャ、てっきり↓

信長「誰だ! 鉄砲なら勝てると言ったのは!」
他の武将「全然使い物にならなかったゾ!」プンプン!
光秀「申し訳もこれなく……」
信長「金柑頭! お前か! そこへ直れ!」ビシッ!ビシッ!

↑かと思っただよ(^_^;)。んで↓

鉄砲奉行「リストラかな、こりゃ(-_-;)」
鉄砲鍛冶衆たち「こうなったら、宣伝しまくるぞ〜!」

以来、長篠合戦は、「鉄砲の勝利」という事になった。<完>



<具合 悪佐守さま [関東] 2000/04/26(Wed) 16:54>

久住殿

なるほど、宣伝の張本人は信長公に御座ったか。勉強になり申した。これからも教えてくだされ。

城主殿

50人程度の隊に編成されるのは足軽のみに御座る。足軽と武士の扱いはまったく異なり申す。大名が雇っていて、お貸し具足を着た足軽は、元々、弓、槍、石礫、鉄砲等の兵科ごとに足軽大将に率いられて、武士たちが布陣している前で、敵を牽制する為に行動するので御座る。

武士は、御使番などの役についている者以外は、備え(部隊)に配属されるか、馬廻り、旗本として大将の側にいるか、遊軍として控えているかしており、それぞれの部隊の人数も大人数で作戦によって、一定しており申さず。

従って、ご指摘のごとくごちゃごちゃするのは足軽隊のみで御座る。
そして、足軽鉄砲組を最前列に諸所に配置すると言う点では、普通の野戦に於ける配置とまったく同じで御座る。試みに陣形の図などご覧になって下され(^^;。各備えは大きく武士と武士が個人で率いる家来ばかり、その前の方に槍衾を作っていたり、鉄砲を構えているのがお先手組の足軽諸隊に御座る。決して全軍を50人で分けると申して居るのでは御座らぬ。あくまで、当時の戦法に則って申しており申す。お間違えの無き様にm(')m
 
     

     
  <たまこさま [東海] 2000/04/26(Wed) 20:19>

↓ つわものどもの会話、全然分らない、
でも なぜ 来てしまうのだろう?



<天陽さま [四国] 2000/04/27(Thu) 00:13>

たまこさん

> ↓ つわものどもの会話、全然分らない、
> でも なぜ 来てしまうのだろう?

盛り上がってきましたからね〜。
私もすでに見るだけになっています。

東海乾坤記製作秘話

当初書きたかった人:真田信綱・昌輝兄弟
最初に書いてしまった人:武田勝頼
なんとなく一度登場させ、やみつきになって主役を食いそうになった人:武藤(真田)昌幸

ゆえに主人公が誰かわからなくなった。


<太郎丸さま [関東] 2000/04/27(Thu) 00:57>

はじめまして!太郎丸と申しまする。

私、以前より武田軍‥とくに『設楽ヶ原の戦』には興味があったもので、
チラチラと皆様の議論などを拝見させていただいておりました。
なかなか本格的で、いろいろ勉強になります。

これからも、時々顔を出させていただくことになるかと思いますので
よろしくお願いいたしまする。
とりあえず、本日ご挨拶まで。 <(_ _)>


<こたつ城主 [関東] 2000/04/27(Thu) 04:51>

>具合悪佐守さま

ご説明、いろいろ、ありがとうございました(^^)。お骨折り、感謝いたします。お話、楽しく拝聴しました。m(__)m


>たまこさま

>↓ つわものどもの会話、全然分らない、
>でも なぜ 来てしまうのだろう?

説明抜きで、どんどん進行してしまったようです(-_-;)。反省しないと……。後で説明いたします。m(__)m

>天陽さま

>私もすでに見るだけになっています。

すみません(-_-;)。ちゃんと進めないと……。

>なんとなく一度登場させ、やみつきになって主役を
>食いそうになった人:武藤(真田)昌幸

昌幸は、使い勝手が良い? あと、曽根内匠に、三枝、土屋あたりで、武田のナイスな連中という気も……(^_^;)。この辺りのキャラで、また書きません?

>太郎丸さま

どうもです(^^)。お待ちしておりました。ご丁寧に、まずはご挨拶との事、痛み入ります。ハタから見てると、難解に見えるかもしれませんが、結構みんな、言いたい事を言ってると思いますので、どんどん加わって下さい! 次から、ご遠慮なくどうぞ(^^)。