質問<六>
無事に帰国したあなたは、持ち返った情報を父の御館様に伝えました。それは大変貴重な得がたい情報だったので、父上は立派に成人したあなたを喜び、縁組の配慮をしました。相手は、隣国の大名の娘で、これであなたの地位は磐石になりました。
ところが、婚礼の日に花嫁の顔を見たあなたは、ちょっとガッカリしました。お世辞にも美人とは言い難かったのです。
その後、ともに暮らしていくうちに、良い家で育っただけのことはあって、妻は気立ても良く、頭もそんなに悪いわけではないことがわかってきました。やがて待望の長男も生んでくれました。ただ、けっこう無愛想な所が難点です。あなたはどう思い始めますか?
そのうち、側女の一人ぐらい持つようになるかもしれない。そのためにも、もっと甲斐性を蓄えられるようにならなくては……。
人生なんてこんなものかもしれない。これはこれで申し分ない女房と言える。このまま子供を産んでくれれば、側女は要らない。
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