これまで関わってきたことは、もう落ち目です。どこかが集中的に富むことで繁栄するでしょう。この世には、切り捨てることによって切り抜けられることもあるんです。残酷だけど、たいてい下のもの、古いものに被害が及ぶでしょう。あるいは、全く新しく舗装し直す必要が出て来るでしょう。地位を失ったとしても、むしろ一時的な後退により負担が減ると思います。
困難に遭うと、どうしても光に飛びつきたくなるものです、一気に上り詰めて楽しもうとしすぎるわけです。二度と同じ心配をせぬために、あれもこれも手をつけて万全であろうとしすぎてませんか。平常心にもどって見直すと、錯覚も中にはあるものですよ。もっと楽な道のりがあるはずです。
要は、本当に大事なものを選択することです。誠意です。対象と方法が理にかなっていれば、いつかは成功します。不思議でしょうが、人間、減らすことで悩みから遠ざかれることもあるのです。増やせば縛られ、ついには動きがとれなくなるでしょう。減らしつづけて無為に至るのが、賢い年の取り方だと私は思います。
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